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【ZOZOチャンピオンシップ】松山、シャウフェレ、フリートウッド……世界トップの凄さを黒宮コーチがレポート

連載「世界基準を追いかけろ」でお馴染みの黒宮幹仁コーチがZOZOチャンピオンシップの模様を現地レポート。そこで感じた世界トップクラスの選手たちの凄さとは?

PHOTO/Tadashi Anezaki

解説/黒宮幹仁

本誌人気連載「世界基準を追いかけろ」でおなじみのプロコーチ。松田鈴英、淺井咲希、宮田成華らを指導。松山英樹とは同級生で、ジュニア時代からしのぎを削ってきたライバルだった

ライバル対決は松山に軍配

(松山)英樹とザンダー(シャウフェレ)のプレーを予選の2日間見ていましたが、2人ともセカンドでグリーンを狙うとき、似たようなところに打ってきますよね。上手くいけばピンに絡み、ミスしてもちゃんとパットが打てるところにある。同じようなところからパットやアプローチをしているシーンが何度もありました。もう一人の同伴競技者のパン・チェンツェンとそこまでショットの差はないと思うんですけど、でもやっぱりアプローチは英樹のほうが上手いし、パットはザンダーのほうが上手い。その差がじわじわとスコアの差になっていった感じですね。おそらくそれが世界ランクの差にもなっているんじゃないですかね。

目を見張ったのは、ザンダーのパットです。ストロークも安定しているし、プレッシャーがかかったときも打つまでの間(ま)やルーティンが変わることがない。通常、嫌なラインだと間が変わりやすいものですが、構えてからちょっと時間がかかっているなというのが一度もないんです。練習グリーンでも、やっていることが明確でしたよね。グリーン読みから始まり、打ち出しの練習をして、ストロークはできているから時間をかけず、あとは曲がるラインの練習をしていました。最後に手でボールを投げて転がして、ライン、スピード、傾斜、芝などの感覚をつかんでいました。練習場でいろんな情報をインプットしていたんですね。


英樹の凄さは、やっぱり「PGAの選手の中でもトップクラスで球を止められる」ところですよね。ラフからでもしっかり球を止められる。初日の8番ホールとか、ラフがきつくてグリーンで止まらなそうな状況でしたが、ちゃんと止めてきましたからね。普通、前にいっちゃうとか抜けちゃうとかありますけど、しっかり球を上げてきます。ショットとアプローチはこのフィールドの中で一番コントロールができていると思いました。

アプローチはおそらくいちばん上手い

「アプローチでザンダーと同じような場所にあっても、内側に寄せてきます。アプローチの精度は非常に高いです」

練習からイメージができている

「練習グリーンで手でボールを転がすなど、実戦を意識した練習をしていました。とにかく間がいいです」(黒宮)

同じことをやり続ける力

PGAツアーって華々しい世界ですが、意外とみんな地味な練習をしていました。自分の課題を黙々とこなしている。その代表選手が、フリートウッド。もちろん優勝候補の選手ですが、毎朝7時に来て練習場でみっちり球数を打って、パットも細かく練習している。ショットの練習は後ろにスティックを差して、体が倒れすぎないように練習をしていました。これは彼が昔からやっている練習で、本当に同じことを繰り返しやっていますよね。

練習グリーンでは、グリーンのスピードをつかむ練習や長い距離でタッチを合わせる練習もしていたし、1メートル以内をしっかりラインを読んで打つ練習もしていました。また線を描いたボールを使って、ボールの回転を見るなど、非常に精度の高い練習をしているなと思いました。ひとつひとつの練習は非常に地味ですが、どれもが実戦に役立つ練習で、無駄なものがひとつもないという印象でしたね。

ホアキン・ニーマンも見ましたが、ドローやフェード、高い球や低い球など、いろんな球を打っていました。どの選手もみんな意図がわかる練習が多いですよね。

以前、コリン・モリカワがインタビューで、「勝つという目標設定をしたときに、練習の質を上げないといけない」と言っていました。彼らは練習場でいいショットを打つというよりは、自分のエラーをよく知っていて、『試合でこれだけしかミスが出ないようにする練習』をしているんだろうな、とつくづく思いましたね。

T・フリートウッド
「無駄な練習がひとつもない」

ザンダー・シャウフェレ
「地道な練習を繰り返していた

両脇でタオルを挟んで球を打っていたザンダー。古典的な練習だが、手先を使わずボディターンで球をとらえるには効果的

ホアキン・ニーマン
「いろんな球を打ち分けていた」

ドローやフェードはもちろん、高い球や低い球などいろんな球を打っていたニーマン。実戦を意識した練習だ

週刊ゴルフダイジェスト2021年11月9日号より

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