PGAツアーの新ボーナス制度「15試合出場で5万ドル」その真意とは?
PGAツアーは、今季から年間15試合に出場した選手に一律5万ドル(約550万円)のボーナスを支給することになった。
同ツアーが選手に送ったメモ(通達)によると、“プレー15ボーナス”なる制度が施行、新たなインセンティブの支給が実現する。
現在PGAツアーを主戦場にするアメリカ人選手には、ライダーカップ、プレジデンツカップ、オリンピックを含め年間15試合の出場義務がある。しかし出場試合がそれに満たなくても重要な決定事項の投票権を失いはするものの、メンバーシップは失わない。
一方、外国人プレーヤーは出場義務である15試合をこなさないと、母国でのツアー出場に制限がかかる。たとえば世界ランク1位のJ・ラームはスペイン出身。ヨーロッパでプレーする機会も多いが、米ツアーで15試合を戦ってはじめて欧州でも好きなだけ試合に出場する権利を得る。
そうした15試合という最低ラインに対し、5万ドル(約550万円)のボーナスを支給するというのは、億単位を稼ぐ多くの選手たちにとって少なすぎる気もする。しかし莫大なオイルマネーを背景に選手を囲い込もうとするスーパーリーグ構想(22年秋をめどに、世界のトップ選手50人ほどを集め、世界各地で年間18試合前後を行うという新ツアー)への対抗措置として一定の効果はあるのかもしれない。
メモにはいくつかの試合の賞金増額も併せて明記されており、「プレーヤーズ選手権」の賞金総額は25パーセント増の2000万ドル(約22億円)へ引き上げ決定。
今年優勝したJ・トーマスが手にしたのは270万ドル(約3億円)だったが、来年は優勝すれば360万ドル(約4億円)。これは4大メジャーよりも高額で、72ホールのストロークプレーイベントでは過去最高となる。来年1月開催の「セントリートーナメント・オブ・チャンピオンズ」も130万ドル増額され総額800万ドル(約9億円)に。
PGAツアーバブルはいつまで続く?
週刊ゴルフダイジェスト2021年11月2日号より