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2勝目を挙げたサム・バーンズ。黄色のウェアに込めた思いとは?

米男子ツアーの「サンダーソンファームズ選手権」で、サム・バーンズが優勝を飾った。昨年5月の「バルスパー選手権」以来となる通算2勝目を黄色のウェアで勝ち取った意味とは?

初日から首位を走ったルーキーのS・シーガラを逆転で下した25歳は、「何が起きたのか状況が飲みこめていない。ライダーカップに出られなかったことがモチベーションになった。次は絶対出るという強い気持ちでプレーしました」と感激の面持ち。

PGAツアーでは日によって特定の色のウェアやリボンを身につけるよう選手や関係者、ファンに推奨することがある。当大会でも金曜日に乳がん撲滅の啓蒙活動を意味するピンク、最終日にはJ・ニクラスと妻バーバラさんが支援する小児病院で治療を受ける子供たちのためのチャリティを意味する黄色を身につける“プレーイエロー”が実施された。

優勝したバーンズも黄色のポロシャツを身にまとい逆転Vを達成したが、そのワケを問われると、「自分にとってイエローのウェアは大きな意味がある。じつは生後6週間の甥っ子がダラスの小児病院に脊髄性髄膜炎の治療のため入院していて、家族全員が大変な思いをしているんだ」と打ち明けた。

闘病中の甥とは、バーンズの姉トリさんの息子。バーンズは黄色いウェアに思いを込め、「(病に苦しんでいる子供たちに)祈りを忘れないでほしい」と訴えたのだ。

「甥はまだ小さいから僕がこうして優勝したこともわからないでしょう。でも家族は皆わかっているし、こういう状況で勝てたことが何よりも嬉しい」とバーンズ。

バーンズはまた小児糖尿病のチャリティ活動にも力を入れている。親友が糖尿病を患っていることが動機だという。

25歳にして昨季はツアー選手権に進出しフェデックスランキング18位、世界ランクも目下18位。近い将来怖い存在になりそうだ。

試合会場が自宅近くということもあり、仲間の応援も後押しした(Photo by Sam Greenwood/Getty Images)

週刊ゴルフダイジェスト2021年10月26日号より