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スタート5分前にドライバーの破損に気づいたD・ジョンソン。代用3Wで1アンダー

プレーオフシリーズ初戦ノーザントラストでD・ジョンソン(DJ)が思わぬトラブルに見舞われた。

第1ラウンドスタート5分前。練習場でウォームアップを終えたDJは、ドライバーのヘッドに亀裂が入っていることに気付くも、あいにくバックアップのドライバーを持ち合わせておらず、とっさに車のトランクから3番ウッドを持ってきてほしいと関係者に依頼。自らは5番ウッドでラウンドをスタートした。

クラブが届いたのは2番ティー。「普段は5番ウッドを3番ウッドの代わりに使っているが、車にストロングロフト(14.5度)の3番が入っていることに気付いた。新品だったから少し心配したけれど8番ホールで使ったら、すごく良かった。9番もティーショットが良くて安心した」と1アンダーの70をマークし、「ドライバーなしのラウンドとしては上出来」と自画自賛。

契約先のテーラーメイドの担当者が、急きょ新しいヘッドをコースに送る手配をしたが、2日目のスタート時間が早かったため間に合わず、現地のPGAストアで類似ヘッドを探すなど奔走。窮地に手を差し伸べたのがL・グローバーだった。

「自分とDJはトレーナー同士が一緒に活動している。トレーナーから破損の件を聞いて自分のバックアップドライバーを使ってもらうことにした。会場に持ってきていたしDJが使っているのとほぼ同じだったから」とグローバー。

先輩の好意に報いたいDJだったが、2日目は1オーバーの72、カットラインに1打足りず、予選落ちに終わった。

昨年の年間王者はプレーオフシリーズ初戦を終えポイントランク22位。2戦目のBMW選手権は、昨年、ゴルフ史に残る超ロングパットの沈め合いでJ・ラームとプレーオフを戦い、敗れたものの2位。今年もDJは本命視されている。

年間王者に支給されるボーナスは16億円。エースドライバーと同等の品が手元に戻れば、彼にもまだ2年連続年間王者のチャンスはあるが……。

現在ポイントランクは15位。最終戦で大逆転なるか?(写真は2019年全英オープン。PHOTO/Tadashi Anezaki)

週刊ゴルフダイジェスト2021年9月14日号より