NEC軽井沢72は15時で中継終了。「続きはTverで」とせざるをえなかった理由とは?
稲見萌寧の銀メダル獲得が追い風になるはずだった女子ツアー。しかし、翌週開催の「NEC軽井沢72」はその余韻に水を差される展開になってしまった。
初日、賞金女王争いでトップを走る小祝さくらが大きく飛び出す一方、五輪メダリストの稲見も6打差につけるという、最終日に期待がふくらむ様相を呈していた。
ところが、翌日から豪雨に見舞われ、2日目は中止。最終日もコース整備でスタート時間が遅れ、結局この日の競技は9ホールに短縮されてしまった。
これだけでも期待感が削がれたのだが、テレビ中継は決着を待たずに終了。つづきは、「TVer(ティーバー)」というネットメディアへ移ることとなった。
最終日のテレビ中継(フジテレビ系)は、前回(19年)までは16時からの録画番組だった。しかし、今年はスポンサーの意向だろう、生中継番組に改編された。だが、同局の場合、15時~16時には地上波もBSも「競馬中継」という絶大な視聴率を誇る番組がある。そのため、ライブ中継は15時まで。以降はCS放送かネット中継に頼らざるをえない。
そこで選ばれたのがティーバーだった。同メディアは、在京の民放キー局5社(日テレ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)が中心となって運営するネット配信サービス。メインはテレビ番組の「見逃し配信」だが、ライブ配信も実施している。オリンピック期間中は、民放が中継する競技をティーバーで見ることができた。
では、今後はトーナメント中継でも活用されるのだろうか? 関係者に聞いた。
「それはないでしょう。今回ティーバーが採用されたのは、自分たちで始めたネットメディアの認知度アップが目的でしょうね。将来、女子ツアーを配信するかについては、話は進んでいないと思います」
今年はU-NEXT(アース・モンダミン)、楽天TV(楽天スーパーレディース)と、ライブ配信メディアの参入があったが、この先のネット中継はどこがメインになるのだろう?
週刊ゴルフダイジェスト2021年9月7日号より