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異例の20%超え! 五輪ゴルフ男子の視聴率が高かった理由とは?

日本が過去最多の金メダルを獲得し、大いに盛り上がった東京五輪。そのなかで男子ゴルフは、残念ながらメダル獲得とはならなかったが、テレビ視聴率ではトップクラスの数字をマークした。

男子ゴルフの最終日(1日)の模様はNHK総合で、12時15分から、プレーオフに加わった松山英樹がメダル争いから脱落する時間帯まで中継された。そのうちの15時5分~16時56分の平均視聴率が20.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。瞬間最高視聴率も、23.9%(16時7分)という高視聴率を記録した。

話題満載の東京五輪だったが、平均視聴率20%超えは、56 .4%だった開会式を筆頭に、サッカー、野球、柔道、卓球など日本のメダル獲得の期待がかかった注目競技ばかり。そのなかにゴルフが入っていたことには、関係者からも驚きの声が上がった。

この高視聴率の理由を、日本ゴルフ協会「東京五輪企画・準備委員会」の委員長でもある戸張捷氏は、同じ時間帯に人気・注目競技のテレビ中継がなかったことに加え、「コロナ禍によるステイホーム、3位までを争うというオリンピックの表彰の仕組み、そしてそこに松山英樹が加わったこと。こうした要因がゴルフファン以外の多くの人の目を引き寄せたのでしょう」と分析する。

松山と同じく銅メダル争いをしたR・マキロイは、「これまでの人生で、3位をとるためにこれほどハードにプレーしたことはなかった」と振り返ったが、見ていたファンも、優勝争いだけでなく3位争いという楽しみがあった。ここも、通常のトーナメントとは違うオリンピックならではの面白みだろう。

ところで、この高視聴率がゴルフ界にもたらす影響について、戸張氏は、「ゴルフ人口がすぐに、目に見えて増えることはないでしょうけど、これを契機にゴルフ競技に興味を持つ人が増えたことは間違いないでしょう」と語る。そうした人々が今後、積極的に観戦、さらにはゴルフを始めることを願いたい。

プレーオフが最後まで放送されなかったのは残念だったが……

週刊ゴルフダイジェスト2021年8月24・31日合併号より