【スウィング研究】アイアン感覚で打てる5Wが大活躍! 松山英樹の最新スウィング
東京五輪で惜しくもメダルを逃した松山英樹だが、病み上がりでの大舞台でマスターズ王者らしい戦いを見せてくれた。そんな五輪での松山の戦いぶりについて、内藤雄士コーチが技術面から分析!
PHOTO/KJR
解説/内藤雄士
日大在学中に米国留学しゴルフ理論を学び、プロコーチとして丸山茂樹など多くのプロをサポート。今は高井戸ハイランドセンターでラーニングゴルフクラブを設立し、ゴルフ指導、ゴルフアナリストとして活躍
5Wが新たな武器になるか
3日目まで良かったパットが最終日のバックナインに入って決まらなくなった。最終日のどこかでラインのズレが生じ、それを引きずったのかもしれません。これは本人のみぞ知る部分で、いちばん悔しいのも松山選手。病み上がりの状態でも、最後までメダルを争ったのはさすが。狙えるときはアイアン力でバーディを奪い、ピンチは引き出しの多いアプローチでボギーは打たない。松山、X・シャウフェレ、C・モリカワ、R・マキロイ、P・ケーシー…… 世界トップの共通点はボギーが圧倒的に少なく、ダボは絶対に打たない。それを改めて感じさせる大会でした。
今回、アイアンとショートゲームに加えて、5月から投入した5Wが霞ヶ関のセッティングにマッチした印象です。コブラ(ラッドスピードツアー/ベンタスブラック・10X)の5Wは、ティーショットやフェアウェイだけでなく、ラフからも活躍していました。見た限り、やや短尺に組んでいる様子で、得意のアイアンの延長線上的な使い方をしていましたね。最終日14番の2オンもこのクラブ。霞ヶ関のラフはフライヤーしやすく距離のジャッジが難しいのですが、スピン量の安定度など事前にチェックして投入した結果だと思います。これからバッグに入り続けるかはわかりませんが、大きな武器になっていくはずです。
スウィングはマスターズ優勝の際に報道されたように低重心のフラット軌道が板につき、アームプレーンとヘッドプレーンは、よりシンプルな軌道を描いています。来年のメジャー、そして3年後のパリ五輪でも日本のエースとしての活躍を期待します。
スピンが安定する5W
あらゆる場面で活躍
世界のトップは簡単にボギーを打たず
ダボは絶対回避
イーグル | バーディ | ボギー | ダボ | |
X・シャウフェレ(優勝) | 2 | 21 | 7 | 0 |
松山英樹(4位T) | 0 | 21 | 6 | 0 |
C・モリカワ(4位T) | 1 | 19 | 6 | 0 |
R・マキロイ(4位T) | 1 | 21 | 8 | 0 |
星野陸也(38位T) | 0 | 15 | 5 | 2 |
週刊ゴルフダイジェスト2021年8月24・31日合併号より