稲見萌寧、“夢の舞台”オリンピックでの優勝争いも「私、緊張しないので」3位タイで最終日へ
<東京五輪ゴルフ女子 3日目/霞ヶ関CC東C/6648Y・パー71/8月4日~8月7日>
2日目にスコアを6つ伸ばし、7アンダー6位タイに浮上した稲見萌音が、3日目も3つスコアを伸ばし、トータル10アンダー。順位を3位タイに上げ、首位のネリー・コルダと5打差で明日の最終日を迎える。
「この3日間、ティーショットが曲がっていない。ラフから打つ回数が少ないのがスコアにつながっている」と語る稲見。男子のときよりもラフが短く刈られたとはいえ、世界のトッププロでもラフに入れるとボギーを覚悟しなければいけない難セッティング。
稲見は安定したドライバーでいとも簡単にフェアウェイをキープしていく。
「いい状態ではないけど、めちゃめちゃ悪いわけではない。自分が意識していることに気をつけながら、メンタルと戦って打っているという感じ」
と独特の表現でショットの調子を分析した。
そして大会中、再三口にしているのが「楽しい」という言葉。
「なかなか出られる大会じゃないので、あまり後悔しないように。あまり気負っていても、悪い方向に行ってしまいそうなので、いやなことがあっても楽しく回れることが一番大事だと思っている」
とはいえ、やはり“夢の舞台”と語っていたオリンピック。国内ツアーでの優勝争いとはわけが違うと思われるのだが
「(そもそも)あんまり優勝争いしているという感覚がない」
最終日でも緊張感はない?
「はい。私、緊張しないので」
メダルは?
「メダルというよりも、順位とか自分のスコアをよくしたいという気持ちのほうが大きい。自分ができる限りのことしてスコアを伸ばして順位を上げられたらいい」
記者たちが期待する「金メダル目指して頑張ります」「トップレベルの選手ばかりなので緊張する」といった言葉は一切出てこない。
「見ているみなさんがいちばん楽しめるのって、スコアが伸びて、順位がどんどん上がっていくことだと思う。そのほうがやっているほうも楽しいですし。そうなるように、楽しんで、うまくスコアを伸ばしていきたいです」
どうやら価値観そのものが我々とは違うようだ。優勝争いの場面は、ただ見ているだけでも、つい力が入ったり、緊張したりしてしまうもの。でも、当の本人はどこ吹く風。こうなったらこちらも“楽しんで”、最終日のプレーを堪能させてもらおうではないか。