【PGAツアーエキスプレス】Vol.2 トミー・フリートウッド「メジャーでの勝利は僕をひとつ上の世界へ導いてくれる」
ゴルフの最先端、PGAツアーの旬なネタをお届けする「PGAツアーエキスプレス」。第2回の注目選手は、長髪がトレードマークのトミー・フリートウッド。
PHOTO/Tadashi Anezaki、Blue Sky Photos
誰からも愛されるナイスガイだが……
イギリス出身のトミー・フリートウッド。欧州下部ツアーで賞金王に輝き、2017年には欧州ツアー年間王者にもなった。にもかかわらず、アメリカでの勝利はいまだにゼロ。このことについて、フリートウッド自身は次のようにコメントしている。
「まだ優勝していないのは事実だから仕方のないこと。アメリカで勝つことは大きな目標のひとつさ。チャンスはあったけど、そのときに自分よりもいいプレーをする選手がいたというだけだよ」
フリートウッドにとって、4大メジャーのどの試合でもまだ、本来の実力を発揮できていない。先日の全米オープンまでメジャー大会26試合に出場して、トップ5フィニッシュはたったの3回だけ。彼の実力からすれば、あまりにも少なすぎる数字だ。今年のマスターズでは、ホールインワンを達成したが、優勝争いには加われず46位タイ。キャリアのなかで、15位以内でフィニッシュしたことは一度もない。全米プロはもっと厳しく、昨年の29位タイが彼にとってもっともよい成績なのだ。今年も予選落ちを喫している。しかし、フリートウッドは決して悲観的になっていない。
「ツアーのなかでもメジャー大会はタフなコースセッティングになっている。そんな状況でもスコアを出していかなくてはならない。このチャレンジを僕は楽しんでいるよ」
メジャー大会で優勝することはフリートウッドに限らず、どんな選手でもレベルをひとつ上げてくれるものだ。フリートウッドはゴルフに対する姿勢、ファンサービス、普段の性格もいい。キャリアを見れば十分に成功に値するが、メジャー大会で勝つことはキャリアをさらに輝かせるものになる。
「メジャー制覇をしていない史上最高のゴルファーもいる」と言いながらも次のように話を締めた。
「メジャーでいい成績を残せていないことを気にしていないとは言わない。なぜなら、誰よりも自分自身が勝ちを意識しているから。でもだからといって焦ることはない。メジャーで勝つことは当たり前のことではないんだ。そこを正しくとらえておく必要がある。だから僕はこれからも一生懸命プレーしていくよ」
強烈な側屈と回転で飛んで曲がらない
取材/コーリー・ヨシムラ(PGAツアー アジア担当ディレクター)
月刊ゴルフダイジェスト2021年9月号より