「これまでの優勝で一番うれしかった」チーム戦を制したアリモリ姉妹の人間力
今年で2回目の開催になった米女子ツアーのチーム戦「ダウグレートレークスベイ招待」で、モリヤ&アリヤのジュタヌガーン姉妹が優勝を飾った。
大会前は前週優勝の畑岡奈紗とL・トンプソンの異色コンビやジェシカ&ネリー・コルダの最強姉妹に注目が集まったが、勝ったのはタイ出身の2人。初日こそ7位タイだったが、スコアが出やすいフォーボール(2人のうち良いほうのスコアを採用)で59をマークすると、最終日も59のビッグスコアを叩き出し、2位に3打差をつけ優勝した。
妹のアリヤはこれで通算12勝目。1歳上のモリヤは3年ぶり2勝目。これまでは姉妹のどちらかが勝てば「いつも気持ちは一緒。自分が勝つよりうれしい」と2人は涙をこぼしてきた。だが今回は涙なし。「これまでの優勝で一番うれしい。だって2人だったから」と満面の笑み。今回は泣かないの? と聞かれると、「最終ホールでモリヤが池ポチャしたとき泣きました(笑)」と妹が茶目っ気たっぷりに白い歯を見せた。「お互いのミスをカバーしながらチームワークで勝てました」と仲の良さをアピールした。
母国では恵まれない人々に家を建て、住環境を整えるチャリティ活動を行う心優しい姉妹。今回もアリヤの帯同キャディ、ピーター・ゴッドフライさんの10カ月の娘グレースちゃんが脳の感染症にかかり入院中のためピンチヒッターを雇ったが、姉妹はグレースちゃんの回復を祈りピンクのリボンをつけてプレー。
「去年(3位入賞)は彼がキャディをしてくれて私たちを笑わせてくれて本当に楽しかった」とアリヤ。ちなみに母親はツアープロのジェーン・パーク。「グレースのために勝ってほしい」というピーターさんの願いを姉妹は見事に叶えてみせた。
週刊ゴルフダイジェスト2021年8月10日号より