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【全英オープン】日本からは5人が出場。難攻不落コースも大いにチャンスあり!

PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Tadashi Anezaki、Hiroaki Arihara、Getty Images

昨年は1945年(第二次世界大戦中)以来の大会中止となり、今年2年ぶりの開催となる最古のメジャー、全英オープン。舞台となるのはロンドン中心部から車で1時間半のロイヤルセントジョージズGC。ドーバー海峡にほど近いケント海岸に面した難関リンクスに、日本の実力者たちが挑む!

解説/レックス倉本(米ゴルフチャンネル解説者)

難攻不落のリンクスだが
日本人にも勝機あり!

今年最後のメジャー舞台となるのは、10年ぶり15回目の開催となるイングランドの名門・ロイヤルセントジョージズGC。マウンドだらけの硬いフェアウェイとうねったグリーン、そして強い海風。日本人選手は太刀打ちできるのか?

No.4・491Y・PAR 4
260ヤード付近の右サイドに高低差8メートルの巨大な“ヒマラヤバンカー”が口を開けている。「バーディよりダボを打つ可能性が高い」と倉本氏。85年大会の平均スコア「4.6」という数字がその難度を物語る(Photo by David Cannon/Getty Images)

7189Y(パー70)と、前回開催時より若干距離が短く設定されたが、これが日本人に有利に働く、とテレビ中継でもおなじみのレックス倉本。

「近年のメジャーはどんどん距離が伸ばされているので、今大会は異例。R&Aからの『飛距離勝負』ではなく、『ショットの正確性』や『総合力』を問う大会にするというメッセージを感じます。

海岸線に造られるため同じ方向を行き来することが多い他のリンクスと違い、ここは縦横無尽にホールが張り巡らされ、ホールごとに風の吹く向きが違う。さらに高いデューン(砂丘)でコースがセパレートされ、より風が回りやすく、風のジャッジが難しい。また、ブラインドも多く、落としどころが見えないうえにフェアウェイには波のようなアンジュレーションがあります。いいところに打ったと思っても複雑に転がって、どこに止まるか予想できない。運も忍耐力も必要ですが、まずは曲げずに狙ったところに打てる正確性が、このコースでは最重要となります。

日本人選手が海外に挑戦するときに、球の高さや飛距離で苦労することが多い。でも今回は強い風の下を通す低いショットが要求され、距離も短い。日本人の弱点が出にくく、逆に長所が出しやすい。メジャーのなかでも戦いやすいはずです」

日本からは5人が出場

「曲がらない男」の強みが生きる

稲森佑貴(26)

【出場資格】20年日本オープン優勝

「曲がらないというのはこのコースで最大の強み」(倉本)。2年前の全英オープンに初出場し予選通過したものの、最終日「80」と崩れた雪辱を果たせるか

最年少ながら落ち着きは十分

金谷拓実(23)

【出場資格】19年エミレーツ・オーストラリアOP3位タイ

2年前にアマで全英に出場。5月からは海外遠征で今大会に備えてきた。「ショットが安定していて、我慢強く大崩れしない」(倉本)

五輪代表。爆発力に期待

星野陸也(25)

【出場資格】21年ダイヤモンドカップ優勝

「イケイケのゴルフをするタイプ。一度勢いに乗ったら止められない爆発力がある」(倉本)

海外メジャー初挑戦!

永野竜太郎(33)

【出場資格】21年~全英への道~ミズノOP2位

「ずっと出たいと思っていた。とても光栄」と話す夢舞台。「臆せず攻めてほしい」(倉本)

2戦連続優勝の絶好調男

木下稜介(29)

【出場資格】20年SMBCシンガポールOP上位

「ショットの安定感もあり、調子が良さそう」(倉本)。師匠・谷口徹の37位タイを超えられるか

週刊ゴルフダイジェスト2021年7月27日号より