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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.40「ミケルソンとの共通点」

PHOTO / Blue Sky Photos

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

前回のお話はこちら

もしかするとキャリアグランドスラム達成かも、とフィル・ミケルソンに期待しておりましたけど、やっぱり全米オープンは、そうとうタフやったですね。

全米プロのときは、ミケルソンを、めちゃ応援して見てましたよ。メジャーであんなに選手に肩入れしてテレビを見ておったのは、全英オープン(09年)のトム・ワトソン以来やね。勝ったスチュワート・シンクに恨みがあるわけやないけど、あのときのワトソンはほんま惜しかった。

300ヤードは飛ばんと勝負にならん世界で、ミケルソンがブルックス・ケプカより前に出ているホールもあったのには、びっくりやったですね。

もうずいぶんと昔の話です。僕もミケルソンも同時期にヨネックスの契約選手だったことがあったんです。あのころ、ミケルソンは毎年のようにカシオワールドに出ておって、イベントに同行したことがありました。

場所は鹿児島やったか福岡やったか、90年代の話で記憶があいまいですけど、一緒に練習場に行ったんです。ヨネックスと、そういうファンサービスみたいな契約もあったんやないかと思います。

ピンマイクを付けて、なんや喋りながら7番アイアンで、ドロー、フェード、ストレート、あと低いストレートで終わりです。レッスン会やなくて、デモンストレーションやね。それでもお客さんは「ワー!」と盛り上がっていました。で、僕は何しにそこに行ったのか、ぜんぜん覚えておりません。

プロゴルファーは、もちろん強いことが人気のバロメーターになるけど、それだけやない要素もあります。アメリカやと、フレッド・カプルスなんか、みんなワーッとなるけど、カーチス・ストレンジやとそれほどでもないとか。これはキャラの違いでしょうな。

同じ土俵で戦う僕みたいなプロゴルファーだと、ちょっと見方が違います。誰とは言いませんけど、日本人に対して、何や上から目線で見ておるのを感じさせる外人選手もおるんです。向こうは海外招待選手で、こっちは日本のシード選手やから、格が違うと言われれば、それまでの話ですけどね。

せやけど、そういう感じがない選手には、親近感を持ちます。へイル・アーウィンとかイアン・ウーズナム、クレイグ・スタドラ―なんかは、そういう選手でした。その話はまた次回。

飛距離は大事な要素ですわ!

「シニアになっても、あれだけ飛ばせたら、まだキャリアグランドスラムのチャンスはあるかしれませんな」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2021年7月20日号より