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【わかったなんて言えません】Vol.40 インパクトは「パチン」より「サラッ」

「ゲンちゃん」こと時松隆光がプロを招いてトークをする連載「わかった! なんて言えません」。先週に引き続きゲストは出水田大二郎。出水田プロとの対談最終回は、パッティングで2人が感じる「感覚」について聞いていきましょう。

前回のお話はこちら

ホスト/時松隆光

1993年生まれ、福岡県出身。ツアー通算3勝。プロ10年目。テンフィンガーグリップで戦う。愛称は“ゲンちゃん

ご指名/出水田大二郎

1993年生まれ、鹿児島県出身。九州ジュニアで4連覇後2011年プロ入り。ツアー1勝。持ち味は183㎝の体格を生かしたビッグドライブ

出水田 源蔵、ダンロップ・スリクソン福島オープンでもまた、最終日トップでの優勝争い、絶好調だね!

時松 いや~、またプレーオフで負けてしまいました。これで3度目ですからね。ホント、情けないっす。最終日はパターが入らなくて、あんなプレーじゃ、とても好調だなんて恥ずかしくて言えません!

出水田
 パットの名手の源蔵でも、そんな日があるんだね。

時松 パッティングが入らないときはしんどいっす。気持ちの切り替えが上手くできるタイプではないので。出水田さん、いつも冷静沈着ですけど、プレーに腹を立てて感情を出してしまうことなんてあるんですか?

出水田 あるある。ミスをして内心カッカして。でも、熱しやすく冷めやすくを心がけているんだ(笑)。1ホールくらいは引きずっても、長くは引きずらないように。とはいえボギーを打った次のホールでダボなんてやるともう大変。なにやってんだって自分に怒って。その切り替えは永遠の課題。源蔵は?

時松 パッティングが入らないときは、この1日が早く終わりますようにと願うのみっす(笑)。

出水田 パッティングって、なんでこんなに入らないのって日、僕もあるな~。しかも、パットで入らない状態が続くと、ショットにまで影響する。

時松 そうそう。パッティングがどうせ入らんから、セカンドショットでピッタリつけなければと自分に無用な重圧をかけてしまって、バンカーとか。

出水田
 ゴルフって、1つのショット、1つのパットって、プレーを区切ることができないスポーツ。一打一打には流れがあって、それが18ホールすべてでリンクしている。

時松 プレー時間も長いスポーツです。

出水田 それにしても源蔵、最近のパッティングスタイル、徐々にフツーになってきてない? 昔は独特の極端なオープンスタンスだったよね。

時松 極端なオープンだと、向かい風のときに少しフラつくのが嫌で。右足1本に重心をかけてしまうスタイルは、緊張したときにもグラグラして不安定なので、今は半足分左足を引く程度のオープンになりましたね。大二郎くんはパッティングのインパクトはどんなイメージで打ってます?

出水田 きっと源蔵に近いイメージじゃないかな。ボールを「パチン」と叩くというより、「サラッ」と転がして回転を大切にする感じ。源蔵もインパクト以降で左ひじを曲げながら上げていくあのスタイルは、ボールに順回転をかけたいからでしょ?

時松 左ひじをどう動かすとか、体の部分的なことを意識したことはないんですけど、ボールに順回転をかけるというのはそのとおりですね。

出水田 僕はアイアンも同じで、「パチン」よりも「サラッ」というイメージ。球の芯とフェースの芯を「点」ではなく、「線」でとらえて、そのライン上でいつかインパクトを迎えるって感じ。

時松 なるほど。「線」でとらえるイメージが、左右にブレない大二郎くんのアイアンショットの秘訣なんですね。トーナメントでは220ヤードとかいう長いパー3も増えてきているじゃないですか。左右にブレなければ、タテの距離しか考えなくて済みますもんね。

「点」ではなく「線」でとらえる!

「球の芯とフェースの芯を『点』でとらえるのではなく『線』でとらえる。そのライン上でいつかインパクトを迎えるってイメージで打っています」(出水田)

出水田 コースの距離が伸びているといえば、海外はもっと顕著だよね。

時松 だからドライバーも飛距離を伸ばしたくて、このオフに長尺46.5インチを試しました。結果から言うと、僕には合いませんでした(苦笑)。

出水田 長尺、僕も試打させてもらったことがあるけど、飛ぶには飛ぶよ。でもタイミングを合わせるのが難しくなる。今以上の飛距離を求めたいのは僕も同じだけど、クラブよりもスウィングの見直しかな。オフに(ブライソン・)デシャンボーのスウィングを真似てみたんだ。もともと体格や体重移動が少ないスウィングタイプが似ているから、地面反力をもっと使えたらなと。

時松 手応えは?

出水田 結構いい感じ。源蔵も好調だし、今季も九州勢の活躍が目立つから、僕もその流れに乗りたいな。

時松 
今後の目標は?

出水田 
コロナで試合がないとき、ゴルフをしていてもモチベーションが低くて楽しくなかった。そのぶん、今季は気合いが入るし、お世話になった人たちと、早く2勝目を挙げて喜び合いたいよね。

時松 今年は選手たちみなさん、気合いが入っていて鼻息荒いですよね。僕もそろそろ、今度こそなんとか優勝をモノにできるように、さらに精進します!

出水田
 お互い頑張ろう!

週刊ゴルフダイジェスト2021年7月20日号より