笹生が勝利した全米女子オープンは同じメジャーでも“別格”だった
笹生優花が全米女子オープンを制したことで「日本勢女子3人目のメジャーV」と騒がれているが、全米女子オープンはなかでも“別格”だ。
現在、女子ツアーには5つのメジャーがあるが、全米女子オープンは伝統、格式、賞金、すべてにおいて群を抜いており、女子ゴルフの頂点の試合といえる。
5つのメジャーのうち冠スポンサーが付いていないのはUSGA(全米ゴルフ協会)主催の全米女子オープンだけで、1946年にスタートしたこの試合はメジャー最古だ。次に古いのがPGAオブアメリカ主催の全米女子プロで1955年。R&Aが主催するAIG全英女子オープンは1976年にスタートしているが、メジャーに昇格したのは2001年と新しい。ANAインスピレーションは1972年スタートで、メジャーに昇格したのは1983年。エビアン選手権は1994年にスタートし、メジャーになったのは2015年だ。
何より、全米女子オープンの550万ドルという賞金総額が群を抜いている。ほかの4つのメジャーは310万~450万ドルで、優勝賞金にしても全米女子は100万ドルでほかは46万5000~67万5000ドルと大きく差がある。優勝賞金だけでいえば、通常の米女子ツアーの1~2試合分の賞金差があるのだ。
笹生は「特にメジャーだとは意識しなかった。通常の試合と変わらない(態度でプレーした)」と、いかにも若者、いや大物らしいコメント。
そんな頂点の全米女子オープンで、畑岡奈紗とのプレーオフを制して優勝したことで、これまで日本の女子プロが持っていたであろうメジャーに対する恐れやプレッシャーがますますなくなり、渋野、笹生に続く選手が続々出てくるのかも……。
週刊ゴルフダイジェスト2021年6月29日号より