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「9歳の時にチェコを亡命」米シニアのメジャーで連勝中のA・チェイカってどんな選手?

5月初旬の米シニアのメジャー「リージョンズトラディション」でシニア初優勝を飾ったアレックス・チェイカが全米プロシニアゴルフ選手権で、並みいる強豪を抑えメジャー連勝を達成した。

後続に4打差をつける圧巻のプレーを見せつけたチェイカだが、レギュラーツアー時代はシードギリギリの選手だった。唯一の勝ち星は15年のプエルトリコオープン。昨年の12月に50歳になりシニア入りしたものの、過去の実績がなかったため予選会から這い上がるしかなかった。シニア初優勝を飾った「トラディション」でもウェイティング(補欠)で欠場者待ち。幸い最後の切符をつかんだが、滑り込みでの出場だった。すると、3週間後に全米プロシニアに勝ってしまったのだから人生なにがあるかわからない。

「トロフィに刻まれた選手の名前と顔を思い浮かべました。まさか自分が彼らに並べるなんて……。信じられない。言葉にできないほど幸せです」と声を弾ませた。

チェコ共和国出身の彼は9歳のときに父とともに祖国を離れ亡命。列車、徒歩、ときには海を泳いでユーゴスラビア、イタリア、スイスを経由してドイツのフランクフルトに落ち着いた。スポーツ万能でアイスホッケーやサッカーに夢中になっていたが、ある日、目にしたひとりのゴルファーの姿に感銘を受け「いつかPGAツアーでプレーする」と決意。そのゴルファーこそ、現在米シニアツアーで一緒にプレーするドイツのベルンハルト・ランガーだ。

レジェンドの影響でクラブを握り18歳でプロ転向。欧州ツアーで3勝し、02年に渡米。さまざまなツアーを渡り歩いてきた。トラディションに勝ったあと彼はランガーら同僚に「やっと皆さんの一員になれた気がします」と感慨深げに話したという。「ミニツアーに出たり、すごく頑張ってきた彼の努力は本当に素晴らしい」と同ツアー7勝のジェリー・ケリーも手放しでチェイカを讃えた。

偉大な先輩、ランガーの背中を追って、メジャー連勝という快挙を達成!(Photo by Dylan Buell/Getty Images)

週刊ゴルフダイジェスト2021年6月22日号より