【人気連載アーカイブ】イザワの法則2015「モノが違いすぎる!」プロを目指すきっかけとなった衝撃の出会いとは?
世界も認めた美スウィンガー・伊澤利光が、ゴルフで大切にしていることを語る連載「イザワの法則」。今回は、伊澤がプロになることを決意するきっかけとなった出会いについて。
「モノが違う」
ジャンボの打球を見て衝撃が走った
GD プロ入りのきっかけについて伺いたいのですが。伊澤プロは大学3年で中退して、翌年のプロテストを受けてプロになっていますね。その時、何があったのでしょうか?
伊澤 大学3年の時(1998年)に、東京ゴルフ倶楽部でやった日本オープンに出たんですね。その時に、初めてジャンボ(尾崎将司)さんが打っているところを生で見て、ものすごい衝撃を受けたんです。「これはちょっと物が違いすぎるぞ」って感じでしたね。その瞬間に何となく「とにかく来年はプロテストを受けてみよう」っていう気になったんです。
GD それまで、伊澤プロはどちらかといえば、ゴルフは「やらされている」ものだったと、以前におっしゃってましたが……。
伊澤 その時だけは、自主的に「プロになろう」って思いましたね。来年、プロになるにはどうしたらいいか。学校に行っていたんじゃ間に合わないんじゃないか。そう思って、大学は3年でやめて、プロテストの準備に専念しようと思ったんです。
GD そのぐらい、ジャンボさんの衝撃が強かったと。
伊澤 そりゃもう、ケタ外れでしたね。その頃、ジャンボさんは全盛期でしたから、テレビを観ていても毎週のように優勝争いしているわけです。当然、私も画面を通じては何度も観て、「ああ、上手いなぁ」とは思っていたんですが、実際に見たら、その何十倍もすごかったんです。特にアイアンの球筋と言ったら、鳥肌モノでしたよ。
GD ドライバーの飛距離に驚いたとか、そういうことじゃないんですか。
伊澤 テレビで観てると、ドライバーが凄くて、アプローチとパターがとんでもなくうまいっていう印象だったんです、ジャンボさんって。でも、考えてみると、当時、誰よりも飛んでるわけだから、セカンドは短いアイアンで打つことが多くて、そういうシーンしかテレビに映らなかったんだから、当然ですよね。ところが、その日本オープンの時は、練習場でアイアンを打ってるジャンボさんを見た。それで、実はアイアンもものすごいんだって肌で感じて、それで、大げさに言うと人生が変わったんです。
GD アマチュアの競技で、やり残したという感覚は、まったくなかったんですか?
伊澤 例えば、学生でプロの試合に出て、アマチュアで予選を通ったのが自分一人だとしたら、その時点でローアマが確定するじゃないですか。そしたら、そこから先のモチベーションっていうのは、アマチュアのゴルフをしている限り、あまりないんです。極端な話、決勝ラウンドでビリだっていいわけですから。でも、プロの世界は違いますよね。1位と30位だと、天と地ほども違う。ひとつでも順位を上げるために、真剣なのがプロで、その頂点にものすごい人がいるってわかったら、アマチュアでいることには、特に未練は感じなかったです。
GD なるほど、確かにそうですね。
イザワのワンポイントLESSON
ピッチ&ラン
【POINT 1】右足親指前にボールをセット
【POINT 2】グリップは真ん中あたりを握る
短いアプローチを打つときは、グリップの真ん中を握るくらい、短く持つ。長く持ちすぎるとクラブ操作が雑になる。
【POINT 3】左右対称よりもフォローを大きめに
振り幅を左右対象にイメージすると減速スウィングになりやすい。フォローを大きくすると加速しながら打てるのでゆるみにくい
伊澤利光
1968年生まれ。神奈川県出身。学生時代から頭角を現し、プロ入りしてからは、プロも憧れる美しいスウィングの持ち主として活躍。2001年、2003年と2度の賞金王に輝く。また、2001年、マスターズで日本人最高位(当時)の4位入賞。現在はシニアツアーを中心に活躍中
月刊ゴルフダイジェスト2015年8月号より
ジャンボさんの練習を見ていたら突然…
衝撃の出会いにはまだ続きが
- 世界も認めた美スウィンガー・伊澤利光が、ゴルフで大切にしていることを語る連載「イザワの法則」。今回は、前回に続きジャンボとの出会いを振り返る。 https://my-golfdigest.jp/tournament/p2082/ 前回のお話はこちら 「打ってみろ」とクラブを差し出された GD 伊澤プロは、のちにジャンボ軍団に加わること……