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【岡本綾子 ゴルフの、ほんとう】Vol.893「圧倒的なリーダーの出現を今シーズン楽しみにしています」

米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。

TEXT/M.Matsumoto

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近年、日本の女子プロ選手の活躍が目覚ましいシーズンが続いていると思います。岡本さんはその原因はどこにあるとお考えですか。またこうした傾向はこれからも続くと思われますか?(匿名希望・39歳・HC12)


1年前くらいに次のような声が上がるのを聞かされました。今年大活躍したトップ選手たちが、来シーズンはこぞって海外に出ていってしまう。

国内のツアーには大きな穴があくのが心配だ、と。これらの声に対して、わたしは心配をしていませんでした。

ツアーには毎年、フレッシュな顔ぶれが登場してきますし新しい力の波が現れて優勝戦線を賑やかに盛り上げてくれるはず、と答えました。

そして案の定、話題に富んだシーズンとなり終幕。

海外に挑戦した若き日本勢は今までにないほどの成果を挙げ、世界のファンの注目を集め国内は国内で初優勝を飾るニューヒロインが登場する実り多いシーズンとなりました。

予測した通りになったでしょ(笑)、というのはさておき、過去最多13人の日本人選手が挑んだLPGAツアーでの活躍は予想をはるかに上回るものでした。


まず3月に竹田麗央選手がツアー出場5試合目にして優勝したのを皮切りに、メジャーの『シェブロン選手権』で西郷真央選手がツアー初優勝。

翌月に岩井千怜選手がメキシコで初Vを飾ると、『全英女子オープン』で山下美夢有選手が初メジャーを獲得。

2週間後には岩井明愛選手が初Vを飾り、10月にはまた山下選手が2勝目。ツアー終盤にはツアー8年目の畑岡奈紗選手が3年半ぶりの勝利を挙げてシーズンを締めくくりました。

これだけでも日本勢の活躍はすごいのに、国内ツアーでも入谷響選手と荒木優奈選手のルーキー2名を含め史上最多の11人が初優勝。

その中で4勝を挙げた佐久間朱莉選手が年間女王になりました。佐久間さんも2002年生まれの23歳とまだ若く、「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー」に入門して腕を磨いたと聞きました。

ここに名前の挙がった若い選手たちは、いずれも幼い頃からゴルフを始めた世代で、彼女たちを見ていると宮里藍さんの強い影響を受けた世代であると思いました。

彼女が東北高校3年生だった2003年に『ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン』でアマチュア優勝を飾ってプロ宣言したことがゴルフ界を盛り上げる一つの起爆剤になったと思います。

ちなみに、宮里藍さんが活躍する姿を目にして当時小学5年だった鈴木愛選手はゴルフにはまったそうで、それから15年後に3つ目の国内メジャータイトルを手にしたことはスゴイことだと思います。

鈴木選手や佐久間選手、特に山下選手など3人とも小柄な部類ではありますが、世界に通じるゴルフはできる──その思いを強く持ち続けることができたのは宮里さんの影響が少なからずあったとは思います。

ゴルフもグローバル化が急速に進み、私が海外挑戦したときよりハードルが年々低くなり、挑戦するルートも増えてチャレンジしやすい環境になっています。今や世界を目指さないほうが不思議とも思われるような雰囲気がある時代にもなりました。

そして今後日本のゴルフ界はどうなるのか……。

そのポイントのひとつとなってくるのは、圧倒的なカリスマ的なリーダーの登場、だとわたしは思
っています。そんな思いを抱きながら今シーズンをまた楽しみに見ていきたいと思っています。

「どれだけ活躍してもコツコツ努力を忘れないことが後々とても大事になってきます」(PHOTO by Ayako Okamoto)

週刊ゴルフダイジェスト2026年1月27日号より