【江連忠のPROJECT E】Vol.267 アーニー・エルス「欲がないから焦らずゆったり振れる」
江連忠「時を駆けるSWING」
片山晋呉や上田桃子など、数多くのトッププロを世に送り出してきた江連忠が、自身の経験をもとに、レジェンドのスウィングに宿った“本質”を語る!
TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/GD写真部、Getty Images、Hiroyuki Okazawa

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- 片山晋呉や上田桃子など、数多くのトッププロを世に送り出してきた江連忠が、自身の経験をもとに、レジェンドのスウィングに宿った“本質”を語る! TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/GD写真部、Getty Images、Hiroaki Arihara Photo by David Cannon/Getty Images >>前回のお話は……
●今月のレジェンド●
アーニー・エルス
1969年生まれ、南アフリカ出身。米国19勝(うちメジャー4勝)、欧州22勝。03、04年欧州ツアー賞金王。大きな体と柔らかな物腰から「ビッグイージー」と呼ばれ人気を博していた
クセのない打ち方だから
ゆったりと振れる
僕はエルスのプレーは何度も見ていますが、彼が無理なショットや強振している姿を一回も見たことがありません。
いつでもどのクラブを持っても同じリズム、同じスピードで振るのが特徴で、そのリズムは当時のプレーヤーの中でも最もゆったりとしていたと思います。
それだけ余裕を持って振れる理由はいくつかあります。まずはスウィングがとてもシンプルでクセがないこと。
エルスはレッドべターに教わっていましたが、筒のように太い軸の中で体主体で振ってバランスがいい。だから動きに緩急がつかないのだと思います。
そして191cmという体の大きさと身体能力の高さも大きな要因です。ゆったりと8割のパワーで振っても十分に飛距離が出るから、飛ばしたいという欲を消すことができるのです。
パッティングに難があったのと、腰痛に苦しむことがなければ、グランドスラムも可能だったと思う逸材です。

“行き”と“帰り”を同じスピードで振ることを意識する
ゆったりとしたリズムで振りたいなら、バックスウィングとダウンスウィングのスピードを合わせるようにすること。アマチュアは下半身が使えない手打ちなので、切り返しから急加速してしまう人が多い
95年にインタビューさせてもらいましたが、ほぼ完璧なスウィングに関して僕が唯一気になった部分を聞きました。それがグリップで、左手はストロングなのに右手はやや上から持っている点です。エルスは「右手をしっかりは持っているけど、強く使いすぎないためにこうしているよ」という納得の答えでした


江連忠
1968年生まれ。東京都出身。高校を卒業して渡米し、ミニツアーを転戦しながらジム・マクリーンに師事したのち帰国。日本のプロコーチ第一人者となり、片山晋呉や上田桃子を賞金王に育て上げた
月刊ゴルフダイジェスト2026年1月号より


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