試合に出られなくても8億円!? PGAツアーの新たな「賞」が太っ腹すぎる
PGAツアーがプレーヤー・インパクト・プログラムを今年1月から導入した。その内容とは?
年間王者のボーナスは成績で決まるが、今回導入された「プレーヤー・インパクト・プログラム」は、ファンやスポンサーの関心を集めた人気プレーヤーに特別ボーナスを支給するというもの。総額4000万ドル(約43億円)をトップ10が分け合い、1位は800万ドル(約8億6000万円)と破格。
ランキングの判断基準はグーグルの検索及び人気度、ニールセン(テレビ視聴率)の露出度、高感度を示すQ評価、SNSやデジタルチャンネルでの露出度、メディアへの露出度を数値化したもの。当初、これらの条件にフェデックスカップのポイントが加味されると報じられたがツアーはこれを否定。成績とは関係ない評価になる。
従って現在スランプに苦しむリッキー・ファウラーや、事故で重傷を負い試合に出ていないタイガー・ウッズも上位にランクインする可能性が高い。
そもそもPGAツアーが新たなボーナス制度を採用したのはプレミアリーグ構想への対抗措置。莫大なオイルマネーを背景に世界のトッププロを取り込もうとしているプレミアリーグ。PGAツアーでは特別な試合を除き、選手に対する「出場料」は払われず、たとえマキロイであれトーマスであれ予選落ちなら賞金はゼロ。だがプレミアリーグでは出ただけで高額のギャラが保証される。プレミアリーグ不参加を表明している選手は多いが、PGAツアーは危機感を抱いており、人気選手流出を防ぐため新たなプログラムを立ち上げたという背景がある。
同時にPGAツアーはプレーヤーズパートナーシップというビジネスユニットも立ち上げ、選手のマネジメントチームと協力しコース外のビジネスチャンスを最大化する試みを行っている。
「選手がアタッシュケースを持って旅をする。ビジネスマンのようだ」とゲーリー・プレーヤーが嘆いたこともあるが、いまやプロゴルファーは最強のビジネスマンだ。
週刊ゴルフダイジェスト2021年5月25日号より