【インタビュー】原英莉花<前編>「本当はもっとできるんじゃないか…」アメリカ挑戦を決意した理由
週刊ゴルフダイジェスト
日本女子ツアーで5勝を挙げた原英莉花が、アメリカ女子下部ツアーに挑戦している。そんな原に、3月、6月、そして初優勝を決めた8月、アメリカで3度の単独インタビューを決行。なぜ原はアメリカを目指したのか、日本では語らなかった本当の理由を明かしてくれた。
TEXT&PHOTO/Yasuhiro Tanabe

- 日本女子ツアーで5勝を挙げた原英莉花が、アメリカ女子下部ツアーに挑戦している。そんな原に、3月、6月、そして初優勝を決めた8月、アメリカで3度の単独インタビューを決行。なぜ原はアメリカを目指したのか、日本では語らなかった本当の理由を明かしてくれた。 TEXT・PHOTO/Yasuhiro Tanabe 原英莉花 はら・えりか。1999年2月15日生まれ。神奈川県出身。ジャンボ……
スロースターターの自分を変えたくて
アメリカ挑戦を決意
GD 原プロは、なぜ戦いの舞台をアメリカに移そうと考えたのでしょうか?
原 実は日本の春が苦手で、どこかソワソワする感覚があるんです。それが夏まで響いてしまって、毎年8月になってようやく戦えるモードになるんです。そんな自分を変えたいという思いがありました。
GD スロースターターの自分を打破したいということですね。
2023年に腰の手術をしてから、瞬発系のトレーニングがあまりできなかったという原だが、アメリカに来る前には、ダッシュやサーキットメニューもこなし、瞬発力や心肺機能を上げるトレーニングを十分にやれたという

原 それと、日本では毎年同じコースを回って、悪いイメージが残ってしまったり、年間のスケジュールが習慣化してしまっていた自分がいました。本当はもっとできるんじゃないか、と感じることもあったし、長いシーズンのどこにモチベーションを置けばいいのか、わからなくなっていたのかもしれません。
GD そういう意味では、まったく初めてのコースで、環境も大きく変わって、アメリカはどうですか?
原 そういうことを忘れるくらい一打に集中してプレーできています。勝つためにどうやってコースを攻めるか、一試合たりとも予選落ちしないように、どう戦うかの毎日です。
GD 以前、ANAインスピレーションと全米女子オープンに出場したとき、初日のスタートホールでつまずいてしまったことがありましたよね?
原 あのときは、調子がよくて飛距離も出ていたんですけど、時差や湿度の違いの影響もあって、いきなりティーショットが右にすっぽ抜けたんです。いままでそんなボール一度も打ったことがなかったのに。それで、私にはスポット参戦は向かないんだなと痛感しました。

紫外線が強いアメリカでは、サングラスをかけてプレーすることも多い。レンズを通すと、色のコントラストが向上するため、フェアウェイの起伏やグリーンの傾斜、アンジュレーションが見やすくなると言われる
GD あのとき、そんなことを感じていたんですか。
原 もちろん、メジャーに出たいとか、メジャーに勝ちたいとか、抱いていた夢はありますが、あの体験から、もしアメリカで戦うなら、一年を通して戦いたい、という気持ちが強くなっていきました。
本当はもっと感情を表に出して
“ガッツリいきたい”タイプ
GD 日本では、原プロはあまりアメリカ志向ではないと思われていたようですね?
原 そうかもしれません。でも、実はアメリカに限らず、どんなツアーにも挑戦したい気持ちがありました。自分のなかでルーティン化されてしまうのがイヤだったし、本当はもっとガッツリいきたくて、感情も表に出るタイプなんですけど、ちょっと自分を抑えながらプレーしている部分もあったと思います。だから、新しいところに挑戦して、自分の力をもっと付けたいという気持ちが強くなっていったんだと思います。
GD それが、アメリカのLPGAツアーを目指した理由だったんですね。
原 もう27になる年なので。自分が納得したところにたどり着きたいじゃないですか。自分で思い描いていたところに挑戦して、やっぱり成し遂げてみたいっていう感じです。
GD そんな原プロが、アメリカに来るときに一番気にかけたクラブは何ですか?
原 やっぱりドライバーです。見た目はいいけど、置いたらコロンッ! て転がるモデルは使えなくて。でも、今回のエリートは見た目も据わりもよくて、打感もめちゃくちゃいいんです。打った瞬間、「これだよ~!」ってピ~ンときて、即決しました。
ドライバーを構えたときの見た目と据わりのよさにこだわる原は、エリートの打感にほれ込んで、即決。「これでちゃんと練習すれば、ミスショットは全部、自分の打ち方が原因」と思えるほど、信頼できる一本だという

GD ウェッジは?
原 ウェッジは、ジャンボさんからいただいたモデルが私の基本なんです。だから、「このバウンスと同じ形にしてください」って、平らめに削ってもらっているんです。

60度のウェッジは、ジャンボモデルと同じソール形状に削ってもらったという。ロフトを58度に立てて、ストレートネックがややグースに見えるように調整している
>>後編はこちら
- 日本女子ツアーで5勝を挙げた原英莉花が、アメリカ女子下部ツアーに挑戦している。そんな原に、3月、6月、そして初優勝を決めた8月、アメリカで3度の単独インタビューを決行。なぜ原はアメリカを目指したのか、日本では語らなかった本当の理由を明かしてくれた。 TEXT・PHOTO/Yasuhiro Tanabe 原英莉花 はら・えりか。1999年2月15日生まれ。神奈川県出身。ジャンボ……
週刊ゴルフダイジェスト2025年9月23日号より


レッスン
ギア
プロ・トーナメント
コース・プレー
雑誌




















