ウェールズは初! 全英女子オープンの開催コースってどんなとこ? 日本からの出場者も紹介
週刊ゴルフダイジェスト
第49回AIG全英女子オープンがいよいよ開幕する。舞台となるのはウェールズの名門リンクス、ロイヤルポースコールGC。今年はメジャートーナメントに昇格してから25年目となる節目の年だが、栄冠を手にするのは果たして誰か。
PHOTO/Tadashi Anezaki、Yoshihiro Iwamoto、Hiroyuki Okazawa、Hiroaki Arihara、Getty Images


解説/深堀圭一郎
日本オープンを含む国内ツアー8勝。全米シニアオープン、全米プロシニア、全英シニアオープンなど海外シニアツアーメジャー出場実績を持つ
雨と風に苦しめられる
ロイヤルポースコール
今年の全英女子オープンの舞台となるのは、2023年に全英シニアオープンが行われたロイヤルポースコールGC(ウェールズ)。同大会で、予選ラウンドの2日間を戦った深堀圭一郎にコースについて話を聞いた。
「全英のリンクスといえば時間帯によって、天候がガラッと変わるのが特徴ですが、僕が出場した23年の全英シニアでは、他のリンクスと比べてもとりわけその傾向が顕著だったように感じます。初日のスタートと2日目の中盤ぐらいからは全くと言っていいほど天候が違ったので、どのタイミングで厳しい天候を迎えるのかという“運”も重要になってきます。
天気が良ければそこまで難しいコースではないのですが、悪天候になり、強風が吹くと正確にランディングポイントに落とす技術がこれほどシビアに要求されるコースはありません。なかでも僕が厄介だと感じたのが序盤の海沿いのホールです。左方向から強いアゲンストが吹き、OB方向に打ち出して曲げながらフェアウェイに着けなければ、どんどん右に流されてバンカーやラフに入ってしまい、パーセーブが難しくなってしまう。ドライバー、アイアン問わず、いかに風を把握するかが攻略のカギになるでしょう。
一方で、グリーンは距離感をつかめないとスコアを大きく崩しかねないのですが、日本の女子選手は海外での戦いに慣れた選手も多く、あらゆるライに対応していますので、さほど問題ないと思います」


ロイヤルポースコール開催の全英シニア優勝スコア:
2014年 18アンダー(B・ランガー)
2023年 5オーバー(A・チェイカ)
ベルンハルト・ランガーが2位に13打差をつけ記録的な大勝を飾った2014年大会に対し、2023年大会では、3、4日目に激しい雨風に見舞われ往年の名手たちが軒並みスコアを崩すなど、同じコースでも優勝スコアに大きな差がついた
注目ホール① 1番ホール(410ヤード・パー4)
海へ向かって打ち下ろす超アゲンストのホール


「正面に海があり、ひとたび天候が悪化すると球を抑えることすら難しい向かい風になります。僕も練習のときは300ヤード飛んでいたんですが、試合では風で球が吹き上がって220ヤードのバンカーに入ってしまいました。風は穏やかな時間にスタートできるよう願うしかありません」
注目ホール② 2番ホール(353ヤード・パー4)
強烈な海風が吹くため左の海に向かって打っていく


「ここから4番までは左手の海沿いを回っていくホールが続き、天候が悪い時は左からの風がボールを右に持って行ってしまい多くの選手がスコアを崩してしまいました。怖さはありますが、風の状況を見ながら大胆に左の海に向かって打ち出していけるかがポイントです」
今年も日本から多くの選手が参戦
今季優勝経験のある3選手は期待大
※成績、スタッツなどは7月24日時点
竹田麗央(22)
ブルーベイLPGAで2位に6打差の圧勝

ツアー5戦目にして今季初優勝を飾ると、全米女子オープンでは2位タイと優勝争いを演じるなどメジャーでも躍進。今季のLPGAツアー新人賞最有力候補なだけに、世界的にも注目度は高い。
2025年主要スタッツ
●平均ストローク/70.34(10位) ●パーオン率/76.84%(2位) ●ドライビングディスタンス/271.24Y(33位) ●平均パット数(パーオンホール)/1.81(72位) ●フェアウェイキープ率/72.86%(50位) ●CMEグローブランキング/3位
西郷真央(23)
シェブロンで日本人5人目のメジャー制覇

今季トップ10が5回と安定感を発揮。そのうちの2回は優勝したシェブロン選手権と4位タイの全米女子オープンで、メジャーでの勝負強さが光る。日本選手初となる同シーズンでのメジャー2大会制覇に期待がかかる。
2025年主要スタッツ
●平均ストローク/70.70(20位) ●パーオン率/70.28%(40位) ●ドライビングディスタンス/258.28Y(95位) ●平均パット数(パーオンホール)/1.76(8位) ●フェアウェイキープ率/73.75%(50位) ●CMEグローブランキング/6位
岩井千怜(23)
リビエラマヤOPで米初優勝!

今季からLPGAに参戦しているが、出場試合数が限られているなかでも日米で結果を残す23歳。過去2大会ともに予選落ちを喫しているものの、今年は3度目の正直で大躍進を目指す。
2025年主要スタッツ
●平均ストローク/70.64(17位) ●パーオン率/71.23%(33位) ●ドライビングディスタンス/266.03Y(54位) ●平均パット数(パーオンホール)1.78(35位) ●フェアウェイキープ率/74.52%(38位) ●CMEグローブランキング/14位
米ツアーで活躍中の9選手
渋野日向子(26)

19年大会優勝
●出場回数/7年連続7回目 ●全米女子OP最高位/19年優勝 ●出場資格/2019年のAIG全英女子オープン優勝者
笹生優花(24)

全米女子OPを2度制覇
●出場回数/5年連続5回目 ●全米女子OP最高位/39位タイ(2021) ●出場資格/2024年のCMEグローブランキング上位35名、2021、2024年の全米オープン優勝者
古江彩佳(25)

24年エビアン選手権優勝
●出場回数/5年連続5回目 ●全米女子OP最高位/20位タイ(2021)●出場資格/2024年のCMEグローブランキング上位35名、2024年のあむんでぃ・エビアン選手権優勝者
畑岡奈紗(26)

念願のメジャー制覇を目指す
●出場回数/8年連続8回目 ●全米女子OP最高位/7位タイ(2022) ●出場資格/2019年のAIG全英女子オープン優勝者
岩井明愛(23)

24年大会は日本人最高位
●出場回数/3年連続3回目 ●全米女子OP最高位/7位タイ(2024) ●出場資格/2024年のAIG全英女子オープンで10位タイ以上、6月30日時点の世界ランキング上位50名
山下美夢有(23)

全米女子プロでは6位タイ
●出場回数/4年連続4回目 ●全米女子OP最高位/13位タイ(2022) ●出場資格/6月30日時点の世界ランキング上位50名
吉田優利(25)

エビアン選手権で良い手応え
●出場回数/2年ぶり2回目 ●全米女子OP最高位/30位タイ(2023) ●出場資格/有資格者を除く、7月7日時点のCMEグローブランキング上位25名
勝みなみ(27)

今季こそ海外初勝利へ
●出場回数/4年連続6回目 ●全米女子OP最高位/21位タイ(2023) ●出場資格/有資格者を除く、7月7日時点のCMEグローブランキング上位25名
馬場咲希(20)

初の予選突破なるか
●出場回数/2年ぶり2回目 ●全米女子OP最高位/予選落ち(2023) ●出場資格/有資格者を除く、7月7日時点のCMEグローブランキング上位25名
国内女子ツアーからも多数出場!
佐久間朱莉(22)

今季3勝で大ブレーク
●出場回数/2年連続2回目 ●全米女子OP最高位/60位タイ(2024) ●出場資格/有資格者を除く、サントリーレディスオープン終了時点のメルセデス・ランキング上位3名
小祝さくら(27)

トップ10数はツアー1位
●出場回数/2年連続2回目 ●全米女子OP最高位/予選落ち(2024) ●出場資格/有資格者を除く、サントリーレディスオープン終了時点のメルセデス・ランキング上位3名
神谷そら(22)

今季パットが絶好調
●出場回数/初出場 ●出場資格/有資格者を除く、サントリーレディスオープン終了時点のメルセデス・ランキング上位3名
高橋彩華(27)

国内で3年ぶりに優勝
●出場回数/3年ぶり2回目 ●全米女子OP最高位/予選落ち(2022) ●出場資格/有資格者を除く、サントリーレディスオープン上位2名
岡山絵里(29)

今季、復調の兆しアリ
●出場回数/7年ぶり2回目 ●全米女子OP最高位/52位タイ(2018) ●出場資格/有資格者を除く、サントリーレディスオープン上位2名
週刊ゴルフダイジェスト2025年8月12日号より
※出場者データは7月24日時点


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