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7000Y超えのモンスターコースを制するのは? 「KPMG全米女子プロ選手権」注目選手&ホール解説

メジャー3戦目、KPMG全米女子プロ選手権が今週19日より開催される。舞台はテキサス州にある「フィールズランチ イースト」で、女子メジャーで最も長い7114Yを誇るモンスターコース。今年は14人の日本人選手が参戦するが、樋口久子以来48年ぶりの日本人優勝はあるのか? 全米プロシニアで同コースを経験した宮本勝昌に話を聞いた。

PHOTO/Getty Images、Yoshihiro Iwamoto、Tadashi Anezaki

解説/宮本勝昌

23年の全米プロシニアでフィールズランチ イーストを経験。初日66をマークして単独2位になるなど健闘。日本人最高位となる10位でフィニッシュした

2打目を短い番手で
打てる選手が有利

女子メジャー3戦目となるKPMG全米女子プロ選手権が今週19日より行われる。舞台はテキサス州にあるフィールズランチ イースト。こちらは23年にキッチンエイド全米プロシニア選手権が行われたコースだ。当時、日本勢トップの単独10位でフィニッシュした宮本勝昌にコースの特徴や攻略法を聞いた。

「僕がプレーした23年はコースを改修したばかりで、すべてが美しいという印象でしたね。芝の密度が濃くてフェアウェイからイメージ通りのショットが打ちやすかった。コースレイアウトやセッティングは“今どきのメジャーコース”という雰囲気。フェアウェイ脇のラフは短く刈り込んであるし、グリーン周りも基本的にペタペタ。日本のメジャーセッティングのようにフェアウェイが狭くてラフが深いというホールはありませんでした。僕は戸惑いましたけど、出場する選手たちはLPGAツアーで慣れているので問題ないと思います」

さらに宮本は、ティーショットでしっかり飛ばせる選手が有利だという。

「単に総飛距離が7000ヤードを超えているから、というわけではありません。2打目を短い番手で打てるからなんです。どのホールも風の影響を受けやすいため、とにかくグリーンが硬い。さらに周りも短く刈り込まれているので狙った場所に止めないと30Y以上もグリーンからこぼれてしまいます。基本的に砲台グリーンが多く、グリーン面は3〜4つに分かれています。ピンと同じ面に止めないとバーディを取るのは難しい。なので、2打目はなるべく短い番手でスピンもしくは高さを出してピンポイントに狙っていく必要があるわけです。花道やグリーン手前から転がしても限界があるのでなるべく打ち方の選択肢が広がる短い番手で打てるほうが有利でしょう。その点でいえば竹田麗央選手や岩井明愛・千怜姉妹、畑岡奈紗選手は上位にきそうです」

宮本いわく、女子ならばドライバーで平均260Y以上は確実に飛んで、さらにフェアウェイキープ率も高い選手が有利とのこと。平均飛距離だけでいえば岩井姉妹よりも馬場咲希のほうが上回っているが、フェアウェイキープ率の面も考えると岩井姉妹や畑岡奈紗のほうが有利に進められるとのこと。「2打目を短い番手で良いライから打てることでバーディを量産できると思います」(宮本)

竹田麗央

●平均飛距離/270.72Y

岩井明愛

●平均飛距離/269.06Y

岩井千怜


●平均飛距離/267.47Y

畑岡奈紗

●平均飛距離/261.71Y

宮本によれば、フィールズランチ イーストは各ホールの難易度の違いは明確とのこと。「このコースは攻めと守りがハッキリしてます。特にアウトは耐えるホールが多く、インでスコアを伸ばしていきたいですね」

6H
442Y・Par4

ティーショットを右寄りに置かないと2打目の距離が残る。ただ、右に曲げすぎると水のないドライな小川がありグリーンを狙えなくなる。砲台グリーンで距離感がつかみづらいので、ここはなんとか2オン2パットのパーでしのぎたい

9H
544Y・Par5

グリーン手前のクリークにビビってしまいがちだが、ティーショットが良い位置に運べたら2打目は果敢に攻めていきたい。グリーンも花道も広いのでクリークさえ越えればボールはピンに向かって転がってくれるはず

11H
371Y・Par4

距離は短いもののグリーンが極端に狭く傾斜も複雑。なので、ティーショットは刻み過ぎずある程度距離を稼ぎ、2打目をなるべく短い番手でピンポイントに狙って打ちたい。ここでバーディを取れれば後半の勢いがつく

週刊ゴルフダイジェスト2025年7月1日号より