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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.226「新規大会の面白み」

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

PHOTO/Tadashi Anezaki

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  • 高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。 PHOTO/Shinji Osawa >>前回のお話はこちら 今週の木曜日に、今年創設された日本女子シニアオープンが開催されます(5月1日、2日。東急セブンハンドレッドクラブ東コース)。女子シニアオープンの出場資格は45……

参加費100万円のプロアマを10日間やったりして話題となっていた『前澤杯』ですが、本戦では試合会場にランボルギーニやフェラーリなど超高級車を並べたり、ピンクのミニスカートはいたラウンドガールがスコアボード持って付いて歩いたりと、今までにない仕込みが話題になっとりました。

ただこの試みには賛否両論あったようで、「品がない」とか「なんの大会なん?」いう否定的な意見もあったそうやけれど、僕なんかは、試合をやってくれること自体、ありがたいことですから、ご自分のやりたいような大会にしてもらったらええと思っています。

ただテレビを見ていて、もっとギャラリーが入ったらいいのになあとは思いました(4日間で3641人)。


『とことん1番ホール』いう番組を見ておったら、これは練習ラウンドかいなと思うくらい少なくて、その一方で、パッとチャンネルを替えて女子のステップ・アップ・ツアーの試合を見たら、そっちのほうがギャラリーが多かった。

あれだけ高額賞金の大会で、ゴルフ場も綺麗なコースでいい雰囲気でやっとる。もう少しギャラリーが入っていれば盛り上がったのになあ思います。

先週行われた中日クラウンズは、毎年多くのギャラリーが入ります(2025年は4日間で1万8911人)。伝統ある試合で、連休中の開催。名古屋地域はゴルフ好きが多いという事情もあるとはいえ、前澤杯は賞金総額はクラウンズのおよそ倍やのに、ギャラリー数は5分の1程度というのは何とも寂しいし、もったいない思います。

入場者数が少なかったんは、単純に考えれば各日1万円というチケット代がネックになったと思います。スーパーカーもラウンドガールも、若い世代にもっとゴルフの試合を見に来てほしいというもくろみもあったんやろうけど、今の若い子は、同じ1万円払うなら1日歩いて観戦するゴルフより、スタンド中央席に座って観戦できるJリーグなんかの試合を見に行くんやないでしょうか。

前澤さんは「今回でわかりました。来年はもうちょっとチケット代を下げて、多くの方にいらっしゃっていただけるよう考えています」と言われとるそうです。来年もよろしくお願いします。

「なんにせよ新しい試みは大事ですしありがたいことです」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2025年5月27日号より