【江連忠のPROJECT E】Vol.259 ニック・プライス「史上もっともリズムが速くキレのいい選手」

片山晋呉や上田桃子など、数多くのトッププロを世に送り出してきた江連忠が、自身の経験をもとに、レジェンドのスウィングに宿った“本質”を語る!
TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Tadashi Anezaki、Shinji Osawa THANKS/オーシャンリンクス宮古島

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- 片山晋呉や上田桃子など、数多くのトッププロを世に送り出してきた江連忠が、自身の経験をもとに、レジェンドのスウィングに宿った“本質”を語る! TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Hiroaki Arihara、Yasuhiro JJ Tanabe、小社写真部 THANKS/オーシャンリンクス宮古島 >>前回のお話はこちら ……
●今月のレジェンド●
ニック・プライス
1957年南アフリカ生まれ(国籍はジンバブエ)。メジャー3勝を含む米国18勝。D・レッドベターの最初の教え子で彼をトップコーチに導いた功労者でもある
速く振れるのは
スウィングがいい証拠
プライスは格好良くて優しくて大好きな選手だったので、アメリカにいた頃よくスウィングのビデオを撮らせてもらったり、インタビューさせてもらいました。
日本でも僕が出場したブリヂストンオープンに招待選手としてやってきたので、練習ラウンドについていってビデオを撮っていたら「自分の練習をしなさい」って怒られたのも懐かしい思い出です。
過去に僕が見た中では究極のストレートボールヒッター。
そして誰よりも締まりのあるスウィングでリズムが速いのが特徴でした。
リズムというのは個々のもので正解はないのですが、リズムが速い人はスウィングに無駄がないという特徴はあります。無駄な動きを削ぎ落としていかないと速くは振れないからです。
ただ、キレと締まりがピカイチだったぶん“柔らかさ”がなく、それが彼のショートゲームの弱点になってしまっていました。フワッと打つ技や繊細なタッチもあればメジャーでもっと勝てていたはずです。
両わきにタオルを挟んで打てば動きが締まる

スウィング中にわきが大きく開くような人は、クラブが無駄な動きをするため方向性が悪くなる。両わきにタオルを挟んでハーフショットをすれば、“締まったスウィング”が身に付く
ニック・プライスの系譜を継ぐのはこの2選手
近藤智弘

今平周吾

リズムが速い人はスウィングに無駄がない
二人ともコンパクトスウィングでオンプレーンでリズムが速いという面がプライスと共通している。オーバースウィングやプレーンがループを描くようなスウィングでは速くは振れない。

江連忠
1968年生まれ。東京都出身。高校を卒業して渡米し、ミニツアーを転戦しながらジム・マクリーンに師事したのち帰国。日本のプロコーチ第一人者となり、片山晋呉や上田桃子を賞金王に育て上げた
月刊ゴルフダイジェスト2025年5月号より