【PGAツアーエキスプレス】Vol.46 トッププロが口をそろえて“特別”と語る、ザ・プレーヤーズ選手権の魅力とは?

ゴルフの最先端、PGAツアーの旬なネタをお届けする「PGAツアーエキスプレス」。第46回は、PGAツアー屈指の大会「ザ・プレーヤーズ選手権」にフォーカス。
PHOTO/Getty Images 取材/コーリー・ヨシムラ(PGAツアー アジア担当ディレクター)

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本当に強い選手が
勝つ大会
ザ・プレーヤーズ選手権の特徴の一つにコースが挙げられる。ピート・ダイ設計のTPCソーグラスは比類ないコース。かつてタイガー・ウッズはコースについて次のように評した。
「攻略は至ってシンプルで、良いショットを打つだけだ。飛距離が出るほうが有利というわけではなく、かといってドライバーが打てないわけでもないが、総じてミスショットには大きなペナルティが付いてくる」
過去の優勝者を見てもティム・クラーク(2010年)、チェ・キョンジュ(2011年)、マット・クーチャー(2012年)と、ショットメーカーの優勝が続いているし、タイガーやマーティン・カイマー、ローリー・マキロイ、ジャスティン・トーマス、そしてスコッティ・シェフラーなど、これらの選手はザ・プレーヤーズ選手権だけでなく、1年間を通して他のライバルに差をつける技術を持っていた。そういう意味で言うと、この大会は「チャンピオンが飛躍する大会」であり、PGAツアーにおける“ゴールドスタンダード”である。
ゴールドカラーの優勝トロフィにも秘密がある。スウィングのフォロースルーをかたどっていて、その姿は過去の優勝者たちを連想させる。ティファニー社が「エレクトロフォーミング」という製法を用いて製作するトロフィは魅力的であると同時に、これまでの優勝者への敬意を示すものになっている。同社のデザイナーは、コンピューターモデリングを使用してジャック・ニクラス(1973年)からウェブ・シンプソン(2018年)まで、このトロフィが作られた2018年までの優勝者38人の描写を合成して作ったのだ。
2019年大会で初めてそのトロフィを手にしたのはマキロイだったが、彼が大会前に「ここでの優勝なくして自分のキャリアは完結しない」と語っていたことを考えても、この大会の大きさや想いが伝わるだろう。
コースに話を戻そう。「ピート・ダイは視覚から威圧するように設計をした。まずはその部分を克服しなければならない。精神的な準備を整える必要がある」とタイガーは語った。精神的な準備が最も試されるのがアイランドグリーンの17番だ。距離にして137Y。エリートプロにとっては簡単な距離のはずだが、実際にティーに立つと練習日より風が強く吹いていることに気づく。このホールを攻略してこそ、真のチャンピオンと言えるだろう。
「この大会を見て育った選手にとって、ここでプレーできることは特別なんだ」とシェフラーは締めくくった。
「これは僕たちの大会で特別だ」と話すジョーダン・スピース。トッププロにとっても4大メジャーと変わらない位置付けだ。


まだ優勝こそないものの23年に5位、2024年は6位でフィニッシュしている松山
月刊ゴルフダイジェスト2025年5月号より