【インタビュー】原英莉花「今のゴルフを受け入れて、もっと強くなろう」米下部ツアー参戦への思い

2025年シーズンは米女子の下部ツアー、エプソンツアーに臨む原英莉花。なぜエプソンツアーへの参戦を決めたのか。苦しみ悩んだ昨シーズンのゴルフを振り返りつつ、今シーズンの再起を誓う。
Interview/Osamu Nakamura PHOTO/Shinji Osawa

昨年を生かして
パワーアップ
――いよいよ開幕ですが、エプソンツアー参戦を決めたのはいつですか?
原 昨年のQシリーズの4日目に落ちた瞬間です。落ちる前から、マネジャーと「ダメでもアメリカ行きでしょ」って話してはいたんです。新たな挑戦というふうに考えたら、前向きなのかなと思って決断しました。
――その“前向きな決断”である、アメリカでの挑戦に至る道のりを振り返ってほしいのですが。
原 一昨年はシーズン途中に離脱期間(腰痛ヘルニア手術)があり、そこから復帰をするためにリハビリとトレーニングをしていました。そして復帰後は、ゴルフをすることがすごく楽しいと感じられましたし、勝つことができました。それでずっと目指していた海外に挑戦する気持ちが固まってたのもありますし、そもそも米女子ツアーの予選会を目指して腰の手術に踏み切ったというところもあったので、初めてQスクールに挑戦したんです。でもそのなかで、スコア誤記による失格があり、自分の中でプツンと糸が切れた感じがあって……。それで、そのオフはどう自分のモチベーションを保っていいのかわからず、トレーニングもリハビリの延長みたいで攻め切れないというのが昨年のオフだったんです。
――その状態で2024年のシーズンを迎えたわけですか。
原 はい。前半戦は予選落ちが続いてしまっていたのですが、2024年もQスクールを受けるという気持ちがあったので、そこに向けてどうにかモチベーションとゴルフの調子を上げていかないといけないという気持ちでした。でもシーズン中なのでトレーニングをハードにもできず、体を大きく変えられることもなく、飛距離は落ちていって……。そこからシーズンの後半には寒くなり、チーピンが止まらなくなってしまって、あーどうしよう、みたいな。その時はアプローチでしのぐプレーが続いたんですけど、ウェッジの溝が減ってきても「これでしのいできた」という気持ちがあるから替えられない、でもスピンは利かなくなってくる。アプローチがダメになったら終わりじゃん! みたいな感じで騙し騙し戦っていました。
――かなり追い込まれている状況のなかでQシリーズの最終ステージへ。モチベーション的には、絶対に通りたいという気持ちで臨んだわけですよね。
原 もちろんそれはありました。でも調子が全然上がらず、パッティングもイマイチで、1.5mや1mにつくんですけど、それを外した時に、ちょっと悩みましたね。
――4日目を終えてカットラインに1打及ばず、ファイナルラウンドに進出できませんでした。
原 正直、途中からは割り切っていた部分はありました。今の自分のゴルフというものを受け入れ難かったわけではなく、そこは受け入れられたし。強くなろうという気持ちの切り替えにもなったというか、その前の年のオフとはまた違う感覚で、悔しかったし、トレーニング頑張ろうって、思っていました。

勝つために戦えるシーズンにしたい
「勝つために戦うのが試合なのに、モチベーションと調子が上がらず、シードを取るために戦っていた。戦い方が間違っていましたね」
――エプソンツアーで結果を出すために、今オフはどういったことに取り組んできたんですか?
原 本来のフェードを取り戻したいというのが一番です。フェードの軌道で打てる体をトレーニングで作るというところと、アドレス、あとは再現性の高い体の使い方を目指してスウィングを作っていくということをやってきました。私は、昔のスウィングをあまり見ることはなかったんですけど、このオフは見るようにして、あ、ここはこうだったなとかといった確認作業もやりましたね。
――原プロの初戦はいつですか。
原 2月28日の開幕戦「セントラルフロリダ選手権」です。そこから3戦フロリダシリーズに出る予定です。
――頑張ってください。
原 はい。頑張ります!
目標はレギュラーツアーのシード獲得
「日本のシード権が無効になると考えると悲しかった」と話す原。しかし、今見据えるのは米ツアーのシード権のみだ

月刊ゴルフダイジェスト2025年4月号より