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【スウィング研究】原英莉花「下半身の動きでトルクを作る生粋の飛ばし屋」

昨年はシーズン途中で持ち球をドローからフェードに変更した原英莉花。そんな原のドライバーショットを南秀樹プロが解説。

解説/南秀樹
PHOTO/Shinji Osawa 撮影トーナメント/住友生命Vitalityレディス 東海クラシック

原英莉花 はら・えりか。2018年プロテスト合格(90期生)。通算5勝、国内メジャー3勝。2024年メルセデス・ランク24位

ワイドに上げる
今風スウィング

昨シーズン、優勝はできずトップ10入りが7回。満足できずとも一定の成績は残した。12月の米LPGAツアーのQシリーズでは1打足りず最終ラウンドへ進めなかったものの下部ツアーの出場資格は獲得。

昨年もドライビングディスタンス12位と飛距離は健在だが、シーズン途中、持ち球をドローからフェードに変更した。そんな原のドライバーショットをプロコーチの南秀樹に解説してもらった。


「スッと立った高さのあるアドレスからクラブをワイドに上げていきますが、バックスウィングでは右ひざの位置がほとんど変わらず、体の柔軟性を生かして右の股関節だけを動かして捻転差を作り出します。トップでの“背中のシワ”を見てほしいのですが、原選手の場合ほとんどシワが入っていません。これは捻転差を、上半身ではなく、下半身メインで作っているからで、彼女のトルクの根本が下半身の動きにあることが分かります。

切り返しで両足を踏み込むのと同時に手元を真下にストンと落としてクラブをシャローな軌道に入れ、ダウンスウィングの早い段階から右ひざを左に送っていきます。右の押し込みが早いのは飛ばし屋に見られる動きですが、彼女の場合、左ひざの位置がフォローまで全く変わりません。そのためインパクトで回転スピードを上げることができ、右の押し込みと合わせて飛距離につながるのです。

持ち球をフェードに変えたことで、ダウンスウィングでも右肩を高く保つようになって、フェースローテーションが抑えられるようになり、球の安定につながっています。またインパクト直前でシャフトが強烈にしなり戻りますが、それは切り返しで下半身を使ってインサイドからのプレーンにうまく乗せられているから。フィニッシュも見ほれるくらいバランスがいいし、ドライバースウィングの完成度は高い。どのツアーを選択しても活躍してくれると信じています」

原英莉花の1Wスウィング

週刊ゴルフダイジェスト2025年1月21日号より