【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.210「スウィング改造の必要性」
高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。
PHOTO/Masaaki Nishimoto
今年の男子ツアーも先週で終わり、先に終わった女子ツアー、シニアツアーも含めて今シーズンは終了。これからツアー競技はしばしのオフシーズンに入ります。今は、オフの期間は短くなりましたが、それでもプロにとっては体とスウィングの調整と見直しの時期になります。
女子ツアーは選手のシャッフルが異常に早くて、今季女王になった竹田麗央さんは、来季はアメリカに行くようやけど、日本の女子プロ界では、言うたら不動(裕理)さんくらい、一時代を築けるくらいのもんがあると僕は思うています。もちろん、ケガや故障といったトラブルなどがなければの話ですけど。
女子プロは若い世代の入れ代わりが激しいだけに、スウィングの改造なんかも、なるべく早い段階でやっておこうというケースもあるようです。
そのタイミングも、昨年あんなに調子よかったのに、なんでスウィングを変える必要があるんか思うようなケースもありますが、それはコーチとの話し合いで決めたことでしょうから、それなりの理由はあるはずです。
そらもちろんコーチがいないとスウィングは変えられないです。選手が独断で決めるなんてことはありません。
その話し合いではただ単に、ドローをスライスにしようとか、トップでクロスしているからレイドオフにしようというように、精度が悪いからとりあえず変えようというようなことやない。将来的にどうなるために、敢えて今、変えたほうがよい思うというビジョンを示さんとあきませんね。
最近は測定器で数値を頼りにスウィングを直す選手がほとんどですが、感じよく振りたいとか、気持ち悪いけど真っすぐ行くとか、そういうフィーリングの部分も大事です。心地よい感じで打てた球が思ったところに行かないいうことがあると、その打ち方では回れないんです。こういう厄介なことがでてきますから、プロにとってオフというんは、やることが山ほどあります。
「スウィングをただ直すということだけやなしに、何で直さないといけないのかを、選手とコーチは、とことん突き詰めて話をするんです」
奥田靖己
おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する
週刊ゴルフダイジェスト2025年1月21日号より