ここ最近の国内外のゴルフ界には新しい流れが確実に起きているようだ。そしてその流れは、一時的なものではなく男子、女子にかかわらず、しっかりと根付いている。そんなゴルフ界の“ニューウェーブ”について、恒例の小誌ご意見番、タケ小山、内藤雄士の両プロに語ってもらった。

PHOTO／Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa、Takanori Miki、Yasuhiro JJ Tanabe、Blue Sky Photos、Getty Images

タケ小山（左）……世界中のツアーに精通するプロ。TBS「サンデーモーニング」の解説者としてもお馴染み。小誌で「世界パトロール」を連載中

内藤雄士（右）……丸山茂樹のコーチとしてともに米ツアーを戦ったティーチングプロ。日本大学ゴルフ部コーチも務める。ハイランドセンター代表

●CONTENTS●
1. 米女子ツアー、ジェンダーポリシー再変更
2. 米女子ツアー最終予選に過去最多5人合格
3. 2025年PGAツアーに5人の日本人が参戦
4. PGAとLIVの統合はどうなった?
5. ミニドラブームと軟鉄鍛造アイアン回帰

●CONTENTS●
1. 米女子ツアー、ジェンダーポリシー再変更
2. LPGA過去最多5人合格
3. 2025年PGAツアー
4. PGAとLIVの統合は?
5. ミニドライバーブームと軟鉄鍛造アイアン回帰

星野陸也が“南回り”でPGAツアーへ!
金谷拓実はQスクール、大西魁斗は下部から

――続いては男子ツアーですが、1年前のこの対談で、日本からPGAツアーを目指す方法として、これからは欧州ツアーを経由する「南回りルート」が主流になる可能性を語ってもらいましたが、早くも久常涼に続く2人目の日本選手が現れました。

内藤　星野陸也選手ですね。すごいですよね。一時は試合に出られないときもあったのに。

タケ　シーズンの前半で結果を出した“貯金”が大きかった。

――そして欧州ツアーを経由しない、アメリカ直行の「北回りルート」でも2人の日本選手がPGAツアーへの切符を手にしました。

タケ　1人目はQスクールを3位で突破した金谷拓実だね。すごいよね。たった5枠しかないのに。素晴らしいです。平田憲聖は最終日に追い上げたけど2打足りずに8位タイ。でもコーンフェリーの出場資格は取れた。

――そのコーンフェリーから昇格を果たしたのが大西魁斗選手。

内藤　下部ツアーを1年間戦ってPGAツアーの出場権を獲得したのは今田竜二選手以来2人目の快挙ですね。

タケ　コーンフェリーは過酷だね。

内藤　春先の“南米シリーズ”がとくに過酷で、小平智もそこがつらすぎると言っていました。リランキングもあるからスキップすることもできない。出るしかないわけです。実際、魁斗くんも桂川（有人）くんもガリガリに痩せて帰ってきましたから。でもそんな過酷なコーンフェリーを1年間戦って結果を出す大変さを知っているので、魁斗くんは今田竜二選手をリスペクトしていますし、今田選手も魁斗くんを応援しているようです。ZOZOのときに、PGAの上位50人はめちゃくちゃ上手いけど、それ以外はコーンフェリーとそれほど変わらないから調子がよければ戦えるって今田選手に言ってもらったと魁斗くんから聞きました。

タケ　今のコーンフェリーはレベルが高いからね。

内藤　魁斗くんによると飛距離が出ないと戦えないそうです。290Yだと持つ番手が大きくて花道を使いたいけど、向こうのコースは花道なんてない。松山選手も290Yにバンカーがあるからキャリーで290Yを超えればコースが広くなると言っていました。

タケ　今はみんな飛ばすよね。飛ばないけど強いという選手がいなくなっちゃったね。

内藤　以前はバカみたいに飛ばす選手はジョン・デーリーやタイガー・ウッズくらいしかいなかったのに、ダスティン・ジョンソンが出てきたくらいからみんな飛ばすようになってきましたからね。あと26年からシード権が125位から100位に減るじゃないですか。これがかなり厳しいですよね。日本の選手で100位以内に入ったのって少ない。小平選手も優勝した2018年だけですから。

タケ　厳しい戦いだけどみんな頑張ってほしいね。

香妻陣一朗の来季LIV残留が決定!
予選会にも日本から4選手が出場

予選会を勝ち抜き24年のLIVゴルフシリーズにフル参戦した香妻陣一朗。ケビン・ナがキャプテンを務める「アイアンヘッズ」への残留が決まり、25年も参戦することが決定した。年末の予選会には日本から4選手が出場したが出場権は得られなかった

週刊ゴルフダイジェスト2025年1月7・14日合併号より