いま、なぜアジアンツアーが熱いのか?<前編>賞金額もポイントも、日本ツアーを上回っている!
日本から海外進出への道というと、欧米を目指す選手が多いが、今ひそかにアジアンツアーが注目を集めている! いったいなぜ?
PHOTO/Hiroaki Arihara、Tadashi Anezaki、Getty Images
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- 日本から海外進出への道というと、欧米を目指す選手が多いが、今ひそかにアジアンツアーが注目を集めている! 参戦中の生源寺龍憲に話を聞いた。 PHOTO/Hiroaki Arihara、Tadashi Anezaki、Getty Images 生源寺龍憲 しょうげんじ・たつのり。1998年生まれ。23年にABEMAツアーの賞金王となる。今年の東建ホームメイトカップは2位。現在、日……
アジアンツアーは以前、アジアの5カ国で開催されていた「アジアンサーキット」に端を発する。当時、日本ツアーが最終戦となっていて、アジア諸国を回るような日程だった。若手プロたちの“武者修行”の場としてとらえられることが多く、開始当時、1962年の賞金総額は約7万ドルで、1試合当たりの賞金額は500万円程度(当時のレートは約360円)だった。「アジアンサーキット」から世界へ飛び立った有名選手は多く、グレッグ・ノーマンもその一人だ。
しかし、現在のアジアンツアーは、賞金総額や獲得できる世界ランキングのポイントが日本のツアーよりも多くなっているのだ。米下部ツアーよりも賞金総額は高い。
2022年にサウジアラビアの政府系投資ファンドであるPIFが設立したLIVゴルフインベストメンツがアジアンツアーに約450億円の投資を決定した。年間スケジュールに高額賞金の「インターナショナルシリーズ」10試合が追加され賞金総額が上がった。
インターナショナルシリーズの年間ランキング1位の選手には、翌年のLIVゴルフリーグへの出場権が付与されるので、アジアンツアーからLIVゴルフリーグへの出場を目指すルートもできている。
さらに、2022年の世界ゴルフランキングの新システムへの移行で日本のツアーで獲得できるポイントが減ったため、日本からメジャーを目指すのが難しくなっている。そのせいか、今年アジアンツアーのQTファイナルに参戦した日本人選手は26人。「ニュージーランドOP」で幡地隆寛が優勝、「シンハンドンヘOP」で平田憲聖も優勝と日本人選手の活躍も目立つ。まさに今、アジアンツアーは世界進出への“第3の道”となっている。
賞金額も世界ランクのポイントも
アジアンツアーのほうが日本ツアーより多い!
アジアンツアーの賞金総額は2022 年から大幅に増え、今や日本ツアーの約1.5 倍に膨れ上がっており、コーンフェリーツアーよりも多い(※優勝者の世界ランク平均獲得ポイントは11月6日現在の数値)
LIVゴルフが約450億円の“サウジマネー”を投資して
「インターナショナルシリーズ」設立
サウジアラビアの政府系ファンドであるPIFは、グレッグ・ノーマンがCEOを努めるLIVゴルフインベストメンツという新会社を設立し、アジアンツアーに、10年間で450億円の投資を決めた。年間10試合の高額賞金試合「インターナショナルシリーズ」が増え、2022年は試合数、賞金額とも過去最高だった
インターナショナルシリーズの年間王者は
翌年のLIVに出場できる
インターナショナルシリーズランキング1位は、翌年のLIVゴルフリーグへの出場権を得る。現在ランキングトップのJ・キャトリンはルーキーだが、2位以下を大きく引き離している
今年1月のアジアンツアーQTは
日本人が26人も挑戦していた
アジアンツアーのQTファイナルには26名の日本人が参戦。日本人最高位は2位の生源寺龍憲で、7位の木下稜介など、合計で7名の日本人選手がQTファイナルを通過した
今季は日本人選手2人が優勝した!
<2024年アジアンツアー日程・成績>
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週刊ゴルフダイジェスト2024年11月26日号より