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【スウィング研究】幡地隆寛「腕を振るのではなく、胸や肩の大きな筋肉を使うように」

今季初優勝を果たした米澤蓮、小木曽喬、幡地隆寛、3選手のドライバースウィングを、それぞれの自己分析をもとに合田洋プロが解説。最後は、今季初優勝を含む3勝を挙げブレイクした幡地隆寛のスウィング。

PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Hiroaki Arihara、Yasuo Masuda、ARAKISHIN、JGTOimages
解説/合田洋

幡地隆寛 1993年6月30日生まれ、広島県出身。大学在学中の15年にプロ転向。20-21年シーズン初シード獲得。今シーズン開幕前「ニュージーランドオープン」で優勝、2カ月後に国内ツアー初優勝。今季ドライビングディスタンス4位につける

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強い体幹を生かし
スウィングスピードと再現性を両立

3人の中で、合田プロが「自分もこういうスウィングで打ってみたい」と称賛したのが幡地のスウィング。

「オーソドックスなアドレスから、若干シャット気味にクラブを上げていき、上体がねじられていくにつれて腰が回転していく。下半身と上半身の回転差、つまりXファクターを作っていく初動が素晴らしく、トップはクロスせずに高い位置に持っていけています。おそらく手首がとても柔軟なため切り返しで強烈なタメを生み出すことができています。この手首のL字をギリギリまで我慢したうえでインパクトでパワーを解放。切り返しで下半身を沈み込ませて地面反力を使っていますが、どちらかというと下半身の動きが少ないのでスウィングの再現性は高くなる。飛ばしの要素が詰まっていますが曲がりも少ないはずです。

とくに凄いのがインパクトからフィニッシュまでの動き。インパクト後のカットを見てほしいのですが、左腰をしっかり切ったところで腰の動きは止まって見えますが、腕とクラブの位置だけが大きく変化しています。しかも、左肩がまったく開かないのでヘッドの走りが尋常じゃない。腕のさばき方も完璧で、強い体幹を生かしたスウィングです。『こんな選手いるのか』と見ほれてしまいました。強いて言うならば、ハーフウェイバックで軸が右に傾いて手元が内側に入りやすくなっているので、右の股関節を後ろに引くような動き(ディップ)を取り入れてみると、さらにスウィングがコントロールしやすくなるはずです」(合田)


幡地隆寛の1Wスウィング

<セルフ解説>
「僕はしっかりと上体で打ちたいタイプで、下半身はあまり意識していません。切り返しで踏み込んで、地面反力は使うようになりましたが、体が浮かないようにしっかりと胸で球を押さえ込んでいくイメージ。以前は腕を振ることばかり考えていたのですが、今は胸や肩の大きな筋肉を使っています。切り返しでタメを作りつつ、下半身を連動させて踏み込んでいく。力強さを残しつつ、精度を上げたいと思っています」(幡地)

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週刊ゴルフダイジェスト2024年11月19日号より