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【インタビュー】木下彩「プロになれたのは教えてくれた祖父のおかげです」 <後編>

ステップ・アップ・ツアー「山陽新聞レディースカップ」で記録ずくめの優勝を挙げた木下彩にインタビュー。後編では、ゴルフを始めたきっかけや、今後の目標について語ってくれた。

PHOTO/Osamu Hoshikawa THANKS/上田ゴルフセンター

木下彩 1999年1月13日、山口県生まれ。高川学園高校卒。2018年プロテスト合格(90期生)。ルーキーイヤーの2019年、ステップ・アップ・ツアー中国新聞ちゅーピーレディースで初優勝。今季、山陽新聞レディースで2勝目を挙げる。身長159cm・体重54kg・A型。長府製作所所属

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祖父のもとでゴルフに熱中

山口県の田んぼが広がる田舎で育ったという木下、ゴルフとの出合いは?

「ゴルフを始めたのは10歳です。きっかけは祖父です。祖父はゴルフが上手かったんです。パーシモンで280Y飛ばしていて、今で言うトップアマみたいな感じです。プロを目指せるレベルでした。祖父の家に鳥かごがあって『よしっ、やってみろ』となったのが最初です。そうしたら祖父が本気になりました」

中学・高校でゴルフ部がある高川学園に進学した木下は、県ジュニアで優勝、全国大会に出場できる実力を得た。


「小6のときに県ジュニアで優勝したんです。それで高川学園から声をかけていただきました。ゴルフ部でバスを出して試合に連れて行ってくれるんです。ウチは両親が共働きだったのですごく助かりましたね。ゴルフ部でしたけど、部活で教わることはなく、20歳までずっと祖父が教えてくれました。指導は厳しくて、怖いと思うこともあったけど、プロになれたのは、祖父のおかげです」

どんな教えだったのか?

「祖父はいつも『基本を練習せよ』でした。私、グリップは超フックですし、トップもかなり低いですけど、最初に祖父から『お前が一番握りやすいグリップ、一番上げやすいやり方で上げろ』って教わったんです。それが今のスウィングのベースになっています。めちゃめちゃ猿腕というのもありますが、体に合っているというか、すごく自然に振れるんです。相当なフックグリップなのでアプローチはド下手ですが、そこはショットでカバーしています。グリーンに乗せちゃえば関係ないですからね。私、ケガもほとんどないんです。手首が太いので痛めることもありません。めっちゃ骨太です。これは祖父からの遺伝だと思いますが、この頑丈さがあったから朝から晩まで打ち続けられたと思います。中学から祖父の家で世話になって1日中ゴルフしかしていませんでした。遊びに行った記憶もないくらい。今は練習量を減らしているので1日中打てないですけど、体の強さだけは本当にありがたかったですね」

現在、明治安田ステップ・ランク2位につけている木下に今後の目標を聞いた。

「ランキング2位以内です。そうすれば来季のレギュラーツアー前半戦の出場権が得られます。周りのプロからは、アイアンの精度が高いんだからステップなら勝たないとダメって言われます。自分ではそれほど上手いとは思っていないですけど、やっぱりレベルが高いレギュラーで戦いたいですね」

週刊ゴルフダイジェスト2024年10月29日号より