【名手の名言】ゲーリー・プレーヤー「速く振るゴルファーに未来はない。ゆっくり振るとメシが食っていける」
レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は「ビッグスリー」のひとりで世界で150勝以上を挙げるレジェンド、ゲーリー・プレーヤーの言葉を2つご紹介!
速く振るゴルファーに未来はない
ゆっくり振るとメシが食っていける
ゲーリー・プレーヤー
今でこそ名手を輩出している南アフリカだが、その昔はゴルフ後進国だった。その嚆矢となったのがゲーリー・プレーヤー。世界を股に掛け稼ぎまくったプレーヤーらしい直截的な言葉だ。それだけに本音というか、ゴルフの本質が垣間見える。
「ゆっくり振る」という表現には肩の力を抜いてリラックスするとか、ゆっくりしたテンポ・リズムで振れということも含まれている。
頭では分かっていても、いざボールを目の前にすると、つい速く振りたくなってしまうもの。また練習場ではできても、ラウンドになると、つい忘れてしまう。
本番でも練習と同じようにゆったりとしたリズムで力まず振ることができれば、結果はおのずと付いてくるものだが、言うは易し。
ラウンド中、ミスが連発し始めたら、プレーヤーの言葉を思い出そう。
私をうしろに乗せて1番ティーまで
ノンストップで走ってくれませんか?
ゲーリー・プレーヤー
ゴルフは時間厳守のゲームだ。競技では、ティーオフの時間を5分過ぎると失格という重い処分が下される。遅れたことに正当な理由があって、委員会がそれを認めない限りは許されない。
1980年の全米オープン。2日目の朝、セベ・バレステロスは車でコースへ向かう途中、2度の交通事故に遭遇し、渋滞に巻き込まれ、コースへ着いたのは、セベの組がティーオフする時間。
入り口にいる役員に急かされ、ロッカーから1番ティーに全力疾走したが、すでに7分が経過。次の組がティーオフしたその瞬間、セベの競技失格が決定した。
世界中を巡るツアープロたちは、常にこんなアクシデントに遭遇する危険性をはらんでいる。
そんな経験の中で、ゲーリー・プレーヤーは絶妙なテクニック(?)を発見したというわけだ。
ある時、大渋滞に巻き込まれてしまったプレーヤー。車を降りると、見ず知らずの人のオートバイに近づいて自分の名前を名乗り、「この渋滞で試合に間に合わないので……」に続き、表題の言葉が発せられたのだ。
この成功話を聞きつけたツアー仲間、リー・トレビノ、トニー・ジャクリンなどはプレーヤーに習って、何度か窮地を切り抜けたという。
■ゲーリー・プレーヤー(1935年~)
南アフリカ・ヨハネスブルグ生まれ。母親を幼くして亡くし、父親は炭鉱で働き、貧困な少年時代を送った。スポーツ万能であったが、ゴルフを選んだのは15歳のとき。その6年後には南アフリカオープン優勝。地元有志のサポートで米ツアーに参戦。メジャー優勝は、59年の全英オープンを皮切りに、全英は計3勝、マスターズ3勝、全米プロ2勝、全米オープン1勝の全9勝。米ツアー24勝をはじめ、全世界で150勝以上を挙げた。ニクラス、パーマーとともに『ビッグスリー』として、世界のゴルフシーンをリードした。
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