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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.191「タイの試合で優勝! “61”で初エージシュート達成です」

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

前回のお話はこちら

前にこの連載で話をした、僕の弟子で、タイで坊さんとプロゴルファーをしている中村映禅が、タイシニアプロゴルフ協会の会長に就任しまして。それで、会長として初めて、タイシニアツアーの60歳以上のスーパーシニアの試合をやるいうんで、僕も出場しました。

参加者は60~70人。タイ、オーストラリア、韓国、中国、マレーシア、アメリカなどから、タイに来てシニアのプロテストに合格してシニアプロとして活動して試合に出ている人たちで、日本人も2人いてはりました。なかには、日本のレギュラーツアーに出ていたというプロも2人ほどおりました。

試合をするゴルフ場が池もあってグリーンも小さいので、前日に練習ラウンドに行こうかというときに、マッシー(倉本昌弘)とゴルフに行く予定が入り取りやめに。翌日は、朝、アプローチを10球くらいだけやってスタートしたんですけど、かえってこれがよかったんか、バーディがバンバン出て、午前のハーフが「30」ですわ。

それでハーフターンして最初のバーディで7アンダーになったときに、64歳やから、もう1個バーディを取って「64」にすればエージシュートやなあと思ったら、すぐ1個来たんです。そして残り3ホールのときに、もう1個バーディを取らんと安心できんと思って攻めたら取れました。これであと2ホールは楽勝やと思ったら、上がりはバーディ、バーディ。そんな流れで最終的に「61」で優勝しました。

試合でのベストスコアやし、エージシュートやし、優勝して会長の映禅からトロフィを渡してもらって、こんなことってあるんやなあと思いました。

エージシュートは67、68歳くらいになればチャンスが出てくるかなと思っていたけど、まさか64歳でできるとは。

練ランをしなかったのがよかったと言いましたけど、「ここダメ、あそこダメ」とチェックすると意識過剰になって逃げる気持ちが出る、これがあかん。

エージシュートは、なかなか達成できん人を見ていると、出そうなスコアになった途端にスコアを守ろうとして逆に崩すことが多いんです。僕なんか、もう1個取ろう、もう1個取ろうと思うてましたからね。

エージシュート達成は攻めるアグレッシブな気持ち、これが大事や思いました。

「初エージシュート達成。久しぶりの優勝も、やっぱりうれしいもんです」(インスタグラム@eizen_thai)

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2024年9月3日号より