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松山英樹、マスターズ制覇。日本人初の快挙!

速報
2021.04.12

2021年のマスターズで松山英樹が優勝。悲願のメジャー初制覇を最高峰の舞台・オーガスタで達成。日本ゴルフの歴史上、初めてグリーンジャケットに袖を通した。

日本人として初めてグリーンジャケットに袖を通した松山(Photo by Kevin C. Cox/Getty Images)

最終日最終組、いやがうえにもプレッシャーがかかる1番ホールのティショットを右に曲げ、ボギースタート。日本人のグリーンジャケットはまたお預けとなるのか。そんな思いが頭をもたげるが、2番ティーに向かう松山の顔には笑顔が浮かんでいた。

2番パー5ですぐさまバーディを獲り返し、バウンスバック。他の選手が伸び悩むなか、ナイスパーを重ね、8番パー5で2つめのバーディ。奥からの難しいアプローチを、ワンクッションを使ってこともなげに寄せてみせた。

9番パー4では、350Yドライブを放ちセカンドをウェッジでピタリ。スコアを落とすどころか、2つ伸ばしトータル13アンダー、2位に6打差をつけて前半を折り返す。

同伴者にも恵まれた。

優勝争いをする相手がナイスプレーをすれば、素直に讃える。序盤で3番からボギー、ボギー、ダブルボギーとスコアを大きく崩したザンダー・シャウフェレ。そんな状況にもかかわらず、決して投げ出すことなく自分のできるベストのプレーを続け、同伴者の松山が良いプレーをすれば気持ちよく声をかける。

6番パー3ではナイスショットを放った松山のボールのすぐ内側につけるショットで応戦。先にグリーンに着いた松山は自分のボールマークを直すと、自然にシャウフェレのマークも直す。ザンダーがお礼を言ったように見え、松山もそれに応じる。実に気持ちのいい光景だ。

渋野日向子が全英女子オープンを制したとき、同伴者のリゼット・サラスが渋野のプレーを素直に讃えていたシーンが印象的だったが、こうした最高峰の舞台でそうした振る舞いができるのは、ゴルファーとしてだけでなく、人間としても一流と呼ぶにふさわしい。

ときおり笑顔をのぞかせる松山(Photo by Jared C. Tilton/Getty Images)

ピンチは15番ホールで訪れた。

難しい10番、11番をパーで切り抜け、12番パー3をボギーとするも、13番パー5でまたしても見事なアプローチを披露し、バウンスバック。

バーディが欲しいパー5ですべてバーディを奪い、王者にふさわしいゴルフを展開する。

ところが4つ目のパー5、15番ホールのセカンドで、松山のセカンドはグリーン奥の池へ。アドレナリンで飛距離が出すぎてしまったのか。このホールをボギーとし、通算12アンダー。

一方、12番からの3連続バーディで9アンダーまでスコアを伸ばしていたシャウフェレがこのホールもバーディとし、最大7打差まで開いていた松山との差を2打につめる。途端に空気がピリリと張り詰める。

しかしその直後、今度はシャウフェレを悲劇が襲う。16番パー3、8番アイアンで狙ったシャウフェレのボールは無情にも池へ。このホールをトリプルボギーとしてしまう。

松山もここで1つスコアを落とし、トータル11アンダー。この時点で、2位のウィル・ザラトリスとは2打差。残り2ホール、まだまだ油断はできない。

本来であれば、置きにいこうとしてスウィングが縮こまってしまいそうなものだが、思い切りのいいスウィングは最後まで変わらない。18番のティショットも、315Y先のフェアウェイへ。西日に笑顔が輝く。

2mのパーパットは惜しくもカップをかすめるも、30cmのウイニングパットを沈め、1打差で逃げきった松山。

トータル10アンダーで日本人初のマスターズ優勝を果たした。