トーナメント開催から個人のサポートまで、プロゴルフの世界は多くのスポンサーがあってこそ成り立っている。選手たちは援助を受ける代わりに、企業のロゴなどをキャディバッグやキャップ、ウェアに付けて戦っているが、企業はなぜその選手のサポートを決めたのか。探ってみた。

PHOTO／Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Tsukasa Kobayashi

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  なぜ、プロゴルファーのスポンサーに?＜女子プロ編＞

  トーナメント開催から個人のサポートまで、プロゴルフの世界は多くのスポンサーがあってこそ成り立っている。選手たちは援助を受ける代わりに、企業のロゴなどをキャディバッグやキャップ、ウェアに付けて戦っているが、企業はなぜその選手のサポートを決めたのか。探ってみた。 PHOTO／Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Tsukasa Kobayashi ……

金田直之
キャディのバイトをしていた縁でサポートが実現

東京・荒川の老舗飼料・肥料メーカー
「徳岡商会」

新一万円札に描かれる渋沢栄一が作った日本初の化学肥料工場の跡地を受け継いで、明治34年に畜骨を加工する有機肥料会社を創業。現在も続けられている。インスタントラーメンの粉末スープも手掛けていたが、現在は畜骨から抽出したエキストラクトを中心とした各種天然調味料・カルシウム食品並びに飼肥料等の製造販売を主業務としている。BSE問題が顕著になった2000年初頭に、加工方法は世界的な安全基準を満たしていたが、日本では認められずに仕事がストップ。しかし、品質に自信があったことから現社長の徳岡光洋さんが社運をかけて「ジロ吉ごはん」を開発した。

原料となる家畜のエサなども抗生物質を与えていないもののみに限定し、安全かつペットの食いつきが良いと口コミで広がっていった。米も入れられているが、米の品質を確認したうえですべて釜炊きをしてから加工するなど、原料や製造過程にこだわっているため数が作れずネット販売が主となっており、海外からの問い合わせも多いという。ちなみに名称は祖父の名前「治郎吉」に由来。先代も改名したというが、光洋さんは「僕は改名するつもりはないので、商品の名前にしました（笑）」

光洋さんは、金田直之がキャディのバイトをしていたコースのメンバーで、金田がQTを突破したことからスポンサーをお願いしたという。快く引き受けた光洋さんは、宿泊が取りにくい場所などは自らホテルや食事場所を押さえたりするなど、息子のように金田をサポートしている。

「ホテルなどを手配していただくこともあって、本当に助かっています」（金田）

木下稜介
「体の負担を減らせるのがありがたい」

世界的なゲーミングチェアブランド
「AKRacing」

ゲーミングチェアのパイオニアブランドで、2001年より主に欧州市場で展開開始。日本ではテックウインド株式会社が総代理店として2015年より国内での取り扱いを開始。長時間座っていても体に負荷がかかりにくく、痛くなりにくいとスポーツ選手からも好評。木下も提供してもらい自宅で使用していると言い、「これに座ってテレビを見たりして、リラックスしています。体が資本のプロゴルファーなので、体の負担が減らせるのはすごくありがたいですね」。スポンサーをするきっかけは「ご縁があってラウンドさせていただく機会があって、その時に人柄の良さに引かれて、彼をサポートしたいと強く思いました。藤田光里プロと所属契約をしていますが、選手が競技に専念できるよう、契約人数は絞ってできる限り手厚く、長い間サポートしていきたいと思っています」（プロダクト部門責任者・木村昇さん）

小木曽喬
「サウナ好きゴルファーにも人気です」

地元・愛知県のスーパー銭湯
「豊田挙母温泉 おいでんの湯」

総合水処理メーカー・ミズプラが運営する愛知県豊田市にあるスーパー銭湯で、自動ロウリュなどを備えたサウナのほか施設が充実。「昔から父親と社長さんが仲良くさせていただいていて、それがきっかけで契約していただきました。ゴルファーはサウナ好きが多いと思うんですけど、僕も好きで、心身のリフレッシュのために行かせてもらっています。プロ仲間やファンの方も結構行ってくれているみたいで、『この前行ってきたよ』とか言ってもらえます」（小木曽）

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週刊ゴルフダイジェスト2024年7月30日号より