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トップの形がまるで別人! 渋野日向子の2021スウィングを飯島茜が解説

PHOTO/Shinji Osawa、Tadashi Anezaki

テレビ中継を見ていて、渋野日向子のスウィングが明らかに変化したことにお気づきの方も多いことだろう。どこがどう変わったのか、その狙いは何か。渋野の最新スウィングを飯島茜が解説。

解説/飯島茜
ツアー7勝。07年日本女子プロ選手権でメジャー制覇。現在はレッスンも積極的に行い、YouTubeで「飯島茜のゴルフちゃんねる」を開設。ゴルフ中継の解説も務めている

2021年の女子ツアーが開幕し、注目を集めているのが渋野日向子のスウィング改造。見た目にも大きく変わったがその変化は何のためなのか。

「トップの位置が低くなり、ダウンスウィングで以前よりシャフトが寝てきています。昨年までは高い位置でトップを作り、そこから手を使わずに体の回転でクラブを低い位置にもってくることで遠心力が生まれ、飛ばしていました。それをフラットなトップにすることで、正確性を追求しているのだと思います。でも、トップの位置を低く保つには相当な筋力が必要。女子プロが彼女のように低いトップをやろうとしても、できる人は少ない。体の強さも感じます」(飯島)

高いトップからループして下ろしていた以前のスウィングに対し、現在は低いトップで正確性を追求。「アイアンやウェッジなど短いクラブは左右のブレが少なくなり、ピンを差すショットが出ていました。ドライバーは飛距離も含めてまだ改善段階という感じです」(飯島)

また飯島は短期間に、試合で使えるようにした適応力に舌を巻く。

「通常、スウィングを変えたといっても、細かく見ないと分からないレベルのことが多い。でも渋野選手の場合、一目で見てわかる。これだけ大きな変更であれば、普通なら1~2年かかるもの。それを、昨年の最終戦からわずか3カ月ほどでもう実戦で使えるほどにまでなっているのは、オフに相当練習したことが想像できます。海外で戦ってみて、足りないことを妥協せずに追い求めた結果が今のスウィング改造だと思います。まだまだ探りながらだと思いますが、今後どんな変化があり、結果に結び付けられるか期待したいです」

2021年の1Wスウィング

2020年の1Wスウィング

週刊ゴルフダイジェスト2021年4月16日号より