【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.184「全米女子で気付いたこと」
高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。
PHOTO/Blue Sky Photos
今年の全米女子オープンを見ていて、何人か気になった選手がいてました。
優勝した笹生優花選手の振りは別格です。ドライバーなんか他の選手のはるか先にキャリーしてますからね。僕がコメントするまでもなく、笹生選手は素晴らしいです。2位の渋野日向子選手のスウィングもチラッと見ましたけど、テークバックで少しゆとりが生まれて、前よりラクにクラブが上がっていました。それでトップでちょっと間もできているようになっていて、非常にいい感じやなという印象を受けました。
6位タイの古江彩佳選手は、全米女子オープンでは画面に映ることは少なかったけど、彼女はずっと自分のプレースタイルを貫いて、向こうのツアーでむちゃくちゃ頑張っているんは素晴らしい思います。
小祝さくら選手と同じ9位タイの竹田麗央選手ですが、この連載でも言いましたが、僕はこの子は昨年から注目していて、将来賞金女王になるでと周囲に言うてたほどの逸材です。今回の全米女子も初めて行って9位ですからね。恐らく将来は、このタイトルを獲るんじゃないですかね。そのくらいのポテンシャルを持ってます。笹生選手同様、振りが別格で、スウィングのスピードが違います。それで小技が上手いわけですから。そらもう、飛ぶやつがテクニックを持ったら一番強いですからね。今後も楽しみや思います。
39位タイに入った河本結選手ですが、たまたま昨年あるコンペで顔を合わしていたこともあって注目をしとった一人です。ここんところシード落としたりして成績が振るわん時期もあって、昨年出ておったステップ・アップ・ツアーの試合をチラッと見たら、打つ前にえらい時間をかけてるんですよ。ショットもやけど、パッティングなんかは特に時間かけてました。
それが、全米女子では、見とったらプレーが早なっていたから、ああいい感じになってきていると思ったし、コメントで「頑張り過ぎないように」と言うていたのを見て大正解やと思いました。
まだパターでラインの上をまたいで、測ったりしておるから、あれがなくなったらええのにな、もっとカジュアルな感じでゴルフができれば、この子はもっと勝てるのにな思うて見てました。
「女子プロの試合、見ておると面白いし勉強になります」
奥田靖己
おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する
週刊ゴルフダイジェスト2024年7月9日号より