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キアクラシック優勝のパク・インビ。オリンピック連覇へ虎視眈々

パク・インビが米女子ツアーのキアクラシックで完全優勝、ツアー通算21勝目を挙げた。32歳のベテランを突き動かすものとは?

後続に5打差をつける圧勝に「来週のメジャー(ANAインスピレーション)の準備のつもりで出た3カ月ぶりの試合。いいプレーができてうれしい」と、およそ1年ぶりの勝利の美酒に酔いしれた。

大会に出た理由はメジャーの準備以外にもう1つ。「オリンピックです。東京五輪がなければ引退も頭をよぎった」。えっ、引退!?

5年前のリオ五輪でパクは金メダルに輝いている。「アスリートにとって夢の舞台。あそこにもう1度立ちたい一心で出場資格確保のため相性の良い(過去2位3回)この試合への出場を決めました」

1年前、コロナの影響で五輪が延期されていなかったらパクに出場のチャンスはなかった。各国世界ランク上位2人が出場するが、同ランク15位以内なら最大4人が参加可能。が、昨年はパクより上に4人もおり、五輪連覇の夢が遠ざかった。しかし、1年延期されたことでパクにチャンスが巡ってくる。キアの優勝で世界ランクは2位。五輪メンバー入りは確実だ。

金メダルは憧れの先輩・パク・セリさえ持っていない大きな勲章。10歳のときメジャーで活躍するセリに触発されプロになったパクは「誰かの記録を破るために戦っているわけではない」というが、五輪連覇なら韓国ゴルフを牽引し絶大な影響力を残した先輩と肩を並べる資格ができる。

優勝回数はセリ(25勝)がリードしているが、メジャー勝利は7勝と5勝でインビが上。生涯獲得賞金もインビのほうが上位。“韓国女子最強”の称号に足りないものがあるとしたら五輪連覇のインパクトだ。

男子ではダスティン・ジョンソンが「東京は遠いから出ない」と言うなど出場を辞退する選手もいるが、パクにとって五輪は現役にとどまるだけの魅力があるのだ。

32歳のベテランが東京五輪に照準を合わせてきた(写真は2016年リオ五輪)

週刊ゴルフダイジェスト2021年4月20日号より