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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.179「若者が欧州に続々参戦!」

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

前回のお話はこちら

ヨーロッパ男子のDPワールドツアー(欧州ツアー)で、中島啓太くんが優勝しました。その1カ月半ほど前には星野陸也くんがやはり欧州ツアーで優勝しとりますし、先日日本で行われた日欧共催の大会で桂川有人くんも優勝しておりますから、これで日本人選手の欧州ツアーでの優勝者は、青木さん、松山くん、昨年勝った久常涼くんと合わせて6人になったということです。


久常くんは、去年のDPワールドツアーのポイントランキング10位以内(有資格者を除く)に入り、今年はPGAツアーに挑戦しております。僕はPGAツアーに出始めてから彼のスウィングを初めて見たんですけど、テークバックで左ひざが「ヨーイドン! 」でクワ~ッと前に出てきて、思い切りがめちゃくちゃよくて、しっかりボディの力を使って打つパワフルなスウィングやと感じました。飛距離も出るようやし、今後のPGAツアーでの活躍が楽しみですわ。

星野陸也くんには、優勝後に「おめでとう、ケガせんように頑張れや」とメールを送ったら、「2勝目、頑張ります! 」と頼もしい返事が戻ってきました。中島くんも含めて、PGAツアーカードを、欧州ツアーのポイントランキングで上位に入れば手に入れることができるんで、今季はそこも狙っておることでしょう。

僕は、力のある若い選手は、いろんな意味で「わかる」ことが多いんで、外へ出たほうがええと思うています。日本におると、レベルやポジション的に上のほうになると周りから大事に扱われるようになる。突然ヨーロッパやアメリカの試合に行ったりすると扱いが違うので、戸惑うことも多いやろうし、場合によっては、試合のエントリーから身の回りのことも自分でやらなあかんようになれば大変です。

日本で賞金王だろうがトップ選手だろうが、選手同士は関係ないいう感じで、一兵卒やけどトップ選手と回っても特には臆することなく勝つ気満々みたいなやつがいっぱいおりますからね。いい経験になります。

2019年から欧州ツアーに出ておる川村昌弘くんが、久常くんはゴルフ以外のことも楽しめるので“海外向き”と評したと言いますが、一番の海外向きは“旅人ゴルファー”と言われる川村くん、アンタやで。ヨーロッパツアーでの日本人の活躍も楽しみです。

「若手の先駆者の川村くん、前に一緒にラウンドしてからずっと、応援しております」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2024年6月4日号より