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【スウィング研究】タイガー・ウッズ「右足を使えるようになってきた」

昨年末、息子のチャーリーとともにPNC選手権に出場したタイガー・ウッズの最新スウィングを横田英治が徹底分析!

PHOTO/Stan Badz

解説/横田英治 タイガー世代のプロコーチでタイガーマニア。教え子の岸部桃子がツアー転戦中

>>息子・チャーリーのスウィングはこちら

球をシェイプする
感覚を取り戻せるか

タイガーは1年前よりも明らかに右足を使えています。思うように動かせない右足を補うために、上半身を鍛え上げて、上体の筋力に頼ったスウィングで復活したタイガーですが、いよいよ右足が回復してきました。

それが一番わかるのが、4コマ目の沈み込みの大きさです。タイガーは、もともとこの沈み込みが誰よりも大きなプレーヤーですが、この2年間は沈み込みが小さくなっていました。また、スタック&チルトを究めるかのように、右足になるべく荷重をかけずに左軸で振っていましたが、少しずつセンター軸になってきました。1年前のスウィングでは、6コマ目から7コマ目で右足を引きずって左足に寄せていましたが、いまは右足でも体重を支えています。


2024年

2023年

ドローやフェードを自在に使い分けるプレースタイルはそのままですが、上半身に頼ったスウィングになったぶん、球をシェイプする(球筋を作る)ときに、以前よりも動きの違いがわかりやすくなっています。いま、タイガーはドライバーで強く打ったり、大きく曲げたりは問題なくできているでしょうが、アイアンショットやアプローチでの微妙な距離感、球筋やスピン量のコントロールなどは、ストレスのある動きの中でやっているはずです。

今後は、鍛え上げた上半身と回復してきた下半身の力のバランスをどうコーディネートしていくかです。まずはマスターズでどんなプレーを見せてくれるか注目したいと思います。

週刊ゴルフダイジェスト2024年1月30日号より