【名手の名言】ペイン・スチュワート「スウィングの美しさとスコアには何の関係もない」
レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は全米オープンを2度制しながら、不慮の事故で若くして命を落としたペイン・スチュワートの言葉をご紹介!
スウィングの美しさとスコアには
何の関係もない
ペイン・スチュワート
昨今、自分が打った球の行方ではなく、スウィングの美しさを追い求めるゴルファーが増えている。確かにゴルフには基本があるかもしれないが、スウィングの美しさはスコアに直結するとは限らない。
ペイン・スチュワートといえばメジャー3勝の実力派でハンチングとニッカボッカがトレードマーク。米国を代表するプロゴルファーで多くのファンに愛されていたが、1999年に自家用ジェット機の墜落事故で死亡した。そんなスチュワートが残した言葉を紹介する。
全米ゴルフ協会(USGA)がその威信にかけて、パープレーが理想、アンダーになっても1日1アンダーに留めようとする全米オープン。
いわば難コースでの世界実力ナンバー1を決める試合なのだが、そこで2度も勝っているペインの胸の奥底から絞り出された言葉だ。
世界一タフなコースでは、技術の達成度以上に大事な要素は精神力なのである。
「全米オープンではパーをバーディ、ボギーをパーと思い込む資質が必要。いつもより10ストローク悪くても決してメゲることのない気持ちが大事なんだよ」と言っていたペイン。
こういうと、地味な粘り強い土の匂いのするプレーヤーを想像するが、ペインは全くその逆だった。
ファッションは“華麗なるギャツビー”の世界。スウィングも流麗で表題の言葉も逆説的に聞こえる。しかし、その逆説に聞こえるギャップが、彼の存在をいっそう伝説的なものに仕立て上げている。
■ペイン・スチュワート
1957~99年。米国・ミズリー州生まれ。79年プロ転向。80~81年のアジアサーキットに参戦し、腕を磨いた。82年春から米ツアー参戦し、クアッドシティオープンで初優勝。メジャータイトルは89年の全米プロ、91年と99年に全米オープンを獲得している。ツアー通算11勝。タモシャンタ帽とニッカボッカのクラシックな装いがエレガントで、ツアーの人気者でもあった。99年10月25日、ジェット機事故で帰らぬ人となった。享年42歳。