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【PGAツアーエキスプレス】Vol.31 カミロ・ビジェガス「“態度”と“前向きな力”。この2つは自分でコントロールできる」

ゴルフの最先端、PGAツアーの旬なネタをお届けする「PGAツアーエキスプレス」。第31回は、11月のバミューダ選手権で9年ぶりの優勝を果たしたカミロ・ビジェガスが、9年間の思いを語ってくれた。

取材/コーリー・ヨシムラ(PGAツアー アジア担当ディレクター)

カミロ・ビジェガス 1982年生まれコロンビア出身。コロンビア人として初めて全米オープンに出場するなど、母国ゴルフの第一人者。バミューダ選手権で9年ぶりの優勝を果たす(PHOTO/Getty Images)
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諦めたことは一度もなかった

2023年もたくさんのトピックスがあったが、カミロ・ビジェガスの9年ぶりのツアー優勝は、多くの人の心に刻まれた出来事だろう。そこで今回は、優勝までの道のりと9年間のモチベーションについて、彼自身が語ってくれた。

 * * *
ワールドワイドテクノロジー選手権で2位に入り、バターフィールドバミューダ選手権で優勝。11月の2週間は実に特別な時間だった。今考えると、ここまでは本当に長い歩みであり、喜びも悲しみもあった。思い返せば、夢を抱いてコロンビアから渡米し、2005年にコーンフェリーツアーに参戦、2008年にはフェデックスカップのプレーオフで2勝することができた。

当時はゴルフの面でも大きな手応えを感じていたし、もうこれ以上のことはないだろうと思っていた。だが、現実は違った。ただ、今の自分を見て、これまでに起こったことを振り返ると、人としてより成長したと思っている。ケガをしたりコーンフェリーツアーに降格したり……疑心暗鬼にもなったし不安に襲われたことは何度もある。そして2020年には娘を失った。絶望を味わったよ。

でも、だからといって努力をやめることはしなかったね。毎朝5時に起きて大好きなゴルフに取り組んだ。優勝は一瞬だが、これまでの経緯がなければ達成できなかったからだ。それをわかっているから、毎朝目標を持ち、それを続けてきたんだ。

腕に「態度」「前向きな力」という意味のタトゥーを入れている。人生は自分ではどうにもならないこともたくさんあるが、この2つはできること。決して簡単なことではないが、これを続けることで自分自身だけでなく周りの人々にもいい影響を与えられると信じている。

妻はいつも『物事に対して正しいやり方をすれば、周りは前向きな見方をしてくれるし敬意を持ってくれる』と話している。それは自分も思っているし、そうであるように心がけている。9年間勝てなくても、若い世代の人たちと同じ時間を過ごし、自分の経験を分かち合うことを楽しんだ。

人生は経験だ。どんなことからでも学ばなければいけない。自分自身、若かった頃は周りの人たちに助けられて育った。その経験したことを今後は自分がしてあげなければいけないとも思っている。これを広めることで、ゴルフが南米でもっと盛んになってくれると信じているんだ。

2007年には日本ツアーで優勝

2006年から3年連続で東海クラシックに出場した。07年には優勝し、日本でもなじみ深い海外選手のひとりだ

元祖“スパイダーマン”

グリーン上に這いつくばるような姿勢でラインを読む姿が大きな話題となった。甘いマスクと相まってたちまち人気に

月刊ゴルフダイジェスト2024年2月号より