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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.153「ひさびさに“ガッツ”のある子に出会いました」

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

PHOTO/Hiroyuki Okazawa

前回のお話はこちら

ZOZOチャンピオンシップで6位になった平田憲聖くんですが、解説の仕事で行った今年の関西オープンのプロアマのときにロッカーがたまたま隣だったんですわ。話をしてみるとすごい感じのよい子で、「平田です!」って挨拶してくれてね。僕はそのときは彼のことはよく知らんかったけど、「頑張ってな」って声を掛けたら「頑張ります!」って、メッチャ礼儀正しかったです。

その後、ハーフターンでトイレで会ったときも「次のハーフ、頑張ってきます!」と、自分から声掛けてくるから、なかなか“ガッツ”があるなと思ったら実際に次のハーフ、アンダーパーで回ってきてたしね。

平田くんは大阪学院大学の出身なんですが、僕の息子が学院大の井上(尚彦)先生にお世話になったとか、彼の所属先のエレコムの社長が甲南大学の卒業生で僕の先輩だったりとか、そんな絡みもあって平田くんのことはその後、まあ気には掛けておったんです。

そしたらミズノオープンと日本プロで優勝して、ZOZOでもこの成績ですからね。体も大きいわけでもない(170センチ、70キロ)けど、あのとき見せた“ガッツ”で頑張っとんなと思いました。

そんな詳しく見たわけではないけれど、スウィングはタイミングがエエですね。テークバックを軽~く上げて、スコーンと振ってくる。軽~く上げるからダウンでクラブにスピードが出るいうことを知っておるスウィングです。だから、あの体で飛距離も出ます。

平田くんの同世代には、中島啓太くんや河本力くん、それに同じ関西の蟬川泰果くんなんかがいますね。

まあ蟬川くんとか河本くんとか、えげつない飛距離が出るしね。あれは間違いなく魅力です。そういった同世代のライバルが次々に昨年優勝して結果を出す姿を見た平田くんが「なにくそ!」と思わんわけがない。

なんせ、端正な顔立ちでも、今はあまり使われなくなった“ガッツ!”を持った関西人ですから、それが今年の成績につながっておるんや思います。

この多士済々の2000〜2001年生まれの世代を見ていると、僕なんかは、男子ツアーはこれからもっと人気が出てくるんやないかなという気がしていますけど、どうでしょう。

「ガッツある関西人の平田くん。同世代の選手も多士済々。楽しみですね」

奥田靖己

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2023年11月14日号より

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