Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • プロ・トーナメント
  • 【PGAツアーエキスプレス】Vol.28 ビクトール・ホブラン「アプローチが本当にひどい。絶対に改善しなければいけない」

【PGAツアーエキスプレス】Vol.28 ビクトール・ホブラン「アプローチが本当にひどい。絶対に改善しなければいけない」

ゴルフの最先端、PGAツアーの旬なネタをお届けする「PGAツアーエキスプレス」。第28回は、初の年間チャンピオンに輝いたビクトール・ホブランを取り上げる。

取材/コーリー・ヨシムラ(PGAツアー アジア担当ディレクター)

ビクトール・ホブラン 年間王者
ビクトール・ホブラン 1997年生まれノルウェー出身。アマチュア時代に数々の大会で優勝し、世界アマランク1位の実績も。20年のプエルトリコオープンで初優勝を果たす(Photo by Ben Jared/PGA TOUR via Getty Images)
前回のお話はこちら

”年間チャンピオンの意外(?)な弱点

年間チャンピオンのビクトール・ホブラン。その活躍は数字を見れば一目瞭然だ。そして、ボーナスは1800万ドル(約26億円)という超高額。しかし、ホブランにとってその額がいかに巨額だろうと決して満足するものではない。なぜなら、そこにモチベーションはないからだ。

「裕福なことはいいことだが、私にとっての幸せは、たくさんのお金を持つことではなく、ほかにある」と言う。これを、他の誰かが言ったのであれば説得力に欠けるかもしれないが、ホブランの礼儀正しくおおらかな性格を知っている人なら納得するだろう。

ツアー選手権で優勝し、巨額の賞金を手にしたが、それ以前から、多くのPGAツアー選手が住むフロリダ州ジュピターの美しい海岸沿いに豪華な自宅を構えることは十分可能だった。だがホブランはそれをしなかった。彼の幸せは、母校「オクラホマ州立大学」のあるスティルウォーターにあった。ゴルフの腕をそこで磨き、今も大学の施設で練習を行っている。

「この街では、あまりたくさんのお金を必要としない。毎日、湯水のようにお金を使うことはないし、自分にとって『幸せであること』に、お金はそれほど必要ないんだ」と笑いながら言う。では、彼にとっての幸せとは何なのか? それはもちろん、世界最高峰の舞台で勝利を重ねることだ。ただ、その幸せをつかむためには、彼には弱点があり、本人もそれを十分すぎるほど理解していた。2020年にこんなことを言っていた。

「アプローチが本当にひどい。絶対に改善しなければいけない」

それ以降、確実にキャリアを重ね、アプローチにおいてももちろん、上達していった。ホブランは多くの時間をグリーン周りなどのアプローチ練習とパッティング練習に費やし、弱点を克服するための時間にした。それは年々結果として表れ、20年と比べるとはるかによくなった。まだ上はいるが、大きく進化したのは間違いない。

数年前までショートゲームの自信を欠いていたホブランだったが「今は、グリーンを外しても寄せワンを取る自信がある。以前はマキロイやケプカといった選手に勝つには、毎ホールピンを狙うしかなかった」と話した。

ホブランにとっての幸せは、ツアーで優勝すること、そして、その過程においてショートゲームの精度をアップし、それを実感することにある。ライダーカップまでの数週間、フェデックスカップ優勝の余韻に浸りながらも、アプローチ技術の向上に時間を費やすだろう。

メジャーには未だ縁がない

プロ入りした2020年から4年連続で勝利を重ね、米ツアーでは6勝を挙げているものの、メジャーにはまだ届いていない(Photo by Ben Jared/PGA TOUR via Getty Images)

こちらもチェック!

シャウフェレは4.8cm、スミスは1.9cm! マスターズ出場選手のティーアップの高さはどれぐらい?

プロ・トーナメント週刊GD

【低く出てキュッと止まるアプローチ】#2 最下点を左にズラすだけ! 「“打ち込む”意識は要りません」

レッスン月刊GD

【低く出てキュッと止まるアプローチ】#1 ビクトール・ホブランを年間王者に導いた「ツアーチップ」って…

レッスン月刊GD

1 2 3 4 8

月刊ゴルフダイジェスト2023年11月号より