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【岡本綾子 ゴルフの、ほんとう】Vol.782「悩みで苦しいことも含め、ゴルフに夢中になれることは幸せなことだと思います」

米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。

TEXT/M.Matsumoto

前回のお話はこちら


プロを目指してがんばっていますが、正直うまくいってません。リフレッシュするため、ゴルフを考えない日を作りたいとも思いますが怖くてそれもできず。こんな甘いことを言っていてはダメでしょうか。(匿名希望19歳)


プロテスト合格を目指して練習に明け暮れた日々。

必ず成功するという保証はなかったですが、ガムシャラにがんばれたのはなぜか。

今から思えば、若かったということなのかもしれません。

ただ、無我夢中で練習に打ち込んだ毎日のことが、今ではしみじみと懐かしくも愛おしいように思い出されます。

マジメに精魂を込めて練習しても練習してもうまくいかない。

なにくそと気を張っている自分の心が、ともするとポッキリと折れそうになる──。

今まさにギリギリの崖っぷちにいるあなただからこそ、わたしには言いたいことがあります。

お便りに「ゴルフの夢にうなされることもある」というあなた。

むしろ、そこまで入り込めることを、幸せに感じてほしいです。

わたしがあえて言いたいのはこれです。


あなたは今、がんばっても結果が出ないとか報われないと感じて気がふさいでしまっているのでしょう。

努力しても必ず成功する保証などないのですから、不安になるのは当然です。

別に“こんな甘いこと”だとは思いません。

あなたは、自分の努力がなかなか形にならない現実に焦りを感じているだけです。

あなたがどんな境遇でプロを目指しているのかが分かりませんが、まず聞きたいのは、ゴルフの練習にかけられる時間が十分にあって、その場所が確保されているかどうかです。

もし時間も場所もない、あるいは足りていないとすれば、そこから改善する必要があります。

毎週のように行われるツアーでは優勝争いをして賞金を稼ぐあなたと同じ年齢のプレーヤーが何人も存在します。

つまり、あなたにも同じ可能性があるということです。

ただし、毎年行われるプロテストの合格率はおよそ4%未満。

一次予選すら突破できない選手もいることを思えば、正直かなり厳しい世界です。

プロになる人となれない人の一番大きな違いは何か。

正直、練習場であれば、惚れぼれするようなショットが打てるプレーヤーは何人もいます。

ですが、何発か打てるというだけでなく、そのレベルの高いショットをずっと打ち続ける安定した力を持ったゴルファーはわずかしかいません。

それが違いであり、その差は経験の積み重ねによっても生まれてきます。

練習やラウンド、打ち込んだボールやコースで遭遇したシチュエーションの数。

そういった総量であなたのゴルフは形作られるのであり鍛えられるのです。

そうした環境が整えられないのなら、なかなか目標へは近づけません。

練習をするにしても、毎日14本のクラブすべてについて500球ずつ打ち込むことは不可能なのですから、ツボを押さえた練習法が必要になります。

いまやるべきことを考えて、それができる条件が整っていないのなら、自分から状況を切り開いていくしかありません。

周囲に相談できる人がいるかどうかも大きなポイントですが、打ち込みやラウンド機会が得られる練習場やコースに自分からかけ合う行動力が求められる場合もあるでしょう。

わたしは運よくプロを目指すと同時にゴルフ場で雇ってもらえました。

お客さんが多い日はキャディに付きますが、キャディの仕事ならお客さんがハーフターンの休み時間にパターの練習ができました。

だから、土・日になるとうれしかったことを思い出します。

練習方法を含め、場所と機会は自分で工夫して捻出するものだと思っていたし、あの当時はそれこそ四六時中ゴルフのことが頭にありました。

だとすると、ゴルフを考えない日はなくていいと思います。

朝から晩まで切れ目なく頭の中にゴルフのことがあって大いに結構じゃないかしら。

ゴルフ漬けになることと、ゴルフオンリーになることは違います。

でも、あなたはゴルフで追い詰められるようで、それが精神状態に悪いのではと考えてしまうのかもしれません。

そんな時は、ゴルフのこと以外を話せる友だちがいれば気分転換ができるはずです。

人間、毎日同じ24時間を過ごしていますが、その使い方は人によってさまざまです。

一日をムダにするのも貴重な糧にするのも自分次第です。

目標がハッキリしているのなら、あなたはいま何をすべきかをしっかりと考えること。

結果、「四六時中ゴルフに夢中」になっても、それはとても幸せなことだと思いませんか?

「本当に目の前のことに対して、無我夢中に取り組んでいますか?」(PHOTO by Ayako Okamoto)

週刊ゴルフダイジェスト2023年9月26日号より

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