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近年は320Y超え連発も、実は20年前から2Yしか伸びていない!? PGAツアーのドライビングディスタンス歴代No.1は?【ゴルフの数字】

4人1組、1ラウンド18ホール、パー72……ゴルフにまつわるいろいろな数字。知らなくてもゴルフはできるけど、知っていればゴルフがもっと楽しくなる! 今回は、年々伸びていると言われているPGAツアーの平均飛距離について。

今季はR・マキロイが平均326.6Yと過去最高を更新しそうな勢い。松山英樹は295.5Yで全体の116位(4/24現在)(PHOTO/Blue Sky Photos)

今年のマスターズは、コースの全長が過去最長の7545Yとなるなど、選手の飛距離が伸びたことにより、コースも年々長くせざるを得なくなっている。これを受けて、先ごろルールを統括するR&AとUSGAから、エリートレベルの競技における「飛ばないボール」使用の提言がなされたことが話題となった。

では実際、どれほど飛距離が伸びているのか。PGAツアーのドライビングディスタンス1位の記録をシーズン別に見ていくと、意外なことが分かった。

歴代最高は、2020-21シーズンにブライソン・デシャンボーが記録した平均323.7Y。1年を通した平均飛距離なので、とてつもない記録であることは間違いないが、遡ると2003年にハンク・キューンが321.4Yを記録している。

その後も、2006年にバッバ・ワトソンが319.6Y、2011年にJ・B・ホームズが318.4Y、2017-18シーズンにローリー・マキロイが319.7Yを記録するなど、320Y級の記録が頻発している。

このデータを見る限り、少なくともここ20年は、PGAツアーの飛距離が著しく伸びているとは言い切れない。

ただ、その間ヘッドの反発係数の規制(2008年~)や、クラブ長さの規制(2022年~)といったルール変更がなされており、それが“飛びすぎ”の抑制に寄与していると見ることもできる。

また、以前は320Y級を叩き出す選手は飛びぬけた数名に限られており、たとえば2003年は1位のハンク・キューンが321.4Y、2位のジョン・デーリーが314.3Yで、310Y超えはこの2選手のみ。300Y超えもわずか9人だった。

それに対し、昨2021-22シーズンを見ると、平均310Y超えが22人。平均300Y超えにいたっては98人と、ツアー全体の飛距離が底上げされていることが分かる(PGAツアー全体の平均は299.8Y)。

今シーズンは、マキロイがここまで平均326.6Y(2023年4月24日現在)と、過去最高を更新しそうな勢い。仮にボール規制が施行されることになれば、トップレベルの選手の飛距離は15Yほど落ちると言われているが、それでもマキロイは310Y超え。下部ツアーにも規格外の飛ばし屋たちがゴロゴロいることを考えると、イタチごっこはまだまだ続きそうだ。