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プロテストに落ちた選手がメジャーチャンピオンに<青木翔『打ち方は教えない。』>

渋野日向子をメジャーチャンピオンに導いた青木翔。その教えのエッセンスが凝縮した著書『打ち方は教えない。』より、第1章の内容を特別公開!

約1年間を通して数十試合が行われる、ゴルフのトーナメント。

その中に数試合だけ、“メジャー”と呼ばれる大会があります。テニスのグランドスラムや競馬のクラシックのような、他の試合とは一線を画す特別なものです。

メジャーには歴史があり、難コースで行われることが多く、そして賞金も高額。トップ選手たちは1年間をかけてそこにコンディションを合わせ、名誉と誇りをかけて挑みます。

女子米ツアーのメジャーは今は全部で5試合ありますが、日本人は1977年に樋口久子プロが全米女子プロゴルフ選手権で優勝したのが唯一の勝利。

その後、長い間メジャーチャンピオンが生まれなかったことで、「体格で劣るから不利」とか、「何シーズンも海外の環境に慣れないと勝てない」などと言われ、いつしか日本人にとって、手の届かない夢のようなものになっていたのです。

そんな状況でしぶこは、42年ぶりにメジャー優勝を遂げました。しかも彼女はその年、初めてレギュラーツアーに本格参戦した、弱冠20歳のルーキー。

長い年月とともに高く分厚くなってしまった壁を、躊躇なくガツンとぶち壊したその偉業は、日本のみならず世界を大いに驚かせました。

その衝撃の大きさは、彼女が世界的にほぼ無名の選手だったことも影響しているでしょう。

シーズン前までは、日本ツアーにおける1年間を通した出場権すらなく、全英女子オープンも「6月末の賞金ランキング5位以内」という条件をギリギリでつかんでの出場でした。

それもそのはず。しぶこはこのシーズンの前のプロテスト(2017年)で、合格ラインに大きく及ばず、プロの資格を得ることができなかった選手なのです。

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青木翔
『打ち方は教えない。』

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