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【名手の名言】ベン・ホーガン「ゴルフは単純だが、それを知るまでには時間がかかる」

レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は稀代のショットメーカーとして知られる伝説の名手、ベン・ホーガンの含蓄のある言葉を2つご紹介!


ゴルフは単純だが
それを知るまでには時間がかかる

ベン・ホーガン


アマチュアのときは強かったが、プロになったとたんまるで勝てなくなるゴルファーがいる。アマチュア時代は攻めの気持ちでガンガン飛ばし、パットは外連味なくゴツンと直線的に打つ。つまり「単純」なゴルフができていたわけだ。

ところが、プロになって守ることを覚えてくると同時に、ゴルフの怖さを実感してショットは曲がり、パットは打てなくなってくる。つまり「複雑なゴルフ」になっていくというわけだ。

ホーガンは『アイスマン』と呼ばれたように、冷静沈着、鉄のごとき意志で「単純なゴルフ」を追求し続け、伝説の人となった。

ベストスコアがかかった残り3ホール。複雑なゴルフをしてしまっていないだろうか。そんなときこそゴルフを「単純」に捉えることができれば、スコアはおのずとついてくるのかもしれない。


プレーは結果によって考えず
原因で考えるのが上達の秘訣である

ベン・ホーガン


ベン・ホーガンはアイスマンのニックネームがあるように、冷静沈着で知られ、そのうえに無類の無口であった。ところが、名言・金言の類いは歴史上1、2位を争うほど残っている。

つまりめったに喋らないから、誰もがコメントを待っているし、喋っても多くは語らないから、含蓄に富むのであろう。要するにホーガンが喋ればすべて名言になったのである。

さて、この名言である。ひとつのショット、ひとつの試合でいちばん自分に分かるのはその結果である。「あの時OBにならなければ……」とか、自分の不運、相手の幸運など結果ばかりを考えがちだ。

しかし、これだと永遠に結果ばかりを追うしかない。そうならないためには、結果だけでなく、なぜそうなったか、原因を考えること。そうすることで、次回からそのミスを防ぐことができるというわけだ。

原因にはボールを打つというフィジカル面もさることながら、精神面も大いに考えなければならない。上級者になればなるほど精神面のウェートが大きくなってくる。

最終18番でやっといい当たりが出たと思ったらもう終わり。それをゴルフにいくたび繰り返すばかり。なぜ上手くいったのか、それまでなぜダメだったのか。原因を真剣に考えたら、少しずつでも確実に進歩するはずだ。

■ベン・ホーガン(1912~1997年)

米国テキサス州生まれ。19歳でプロ入り。173センチ、74キロと小柄ながら稀代のショットメーカーとして名を馳せた。全米オープン4回、マスターズ2回、全米プロ1回、全英オープン1回の優勝歴を持つ。一時、再起不能といわれるほどの自動車事故に遭いながら、奇跡のカムバックを果たしたことでも知られる。不屈の闘志、アイスマンと称された冷静沈着なプレーで、53年には全米、全英両オープン、マスターズと勝利し、同年グランドスラムのチャンスだったが、全米プロには重きを置かず不出場。ボビー・ジョーンズと並び称される最強のゴルファー。