アドレスでクラブが球に当たっちゃった! 球は動いていないけどペナルティになる?【これだけゴルフルール】
2019年のルール大改正でやさしくなったとはいえ、まだまだ複雑なゴルフルール。すべてを頭に入れておくのは大変だが、ゴルフを楽しむうえで、最低限のルールは覚えておきたい。今回は、プレー中に球が動いてしまった場合のルールの疑問をQ&A形式でご紹介!
“エリア”によって対応が変わる
フェアウェイでボールを打とうとアドレスに入ったところ、クラブがボールに当たってしまった。ボールはわずかに揺れただけで元の位置から動いてはいなかったが、この場合罰はつくのだろうか。
正解は罰なしでそのままプレー。ゴルフ規則の「定義」によると「球が揺れている(または振動している)だけで、元の箇所に留まっている、または戻っている場合、その球は“動いた”ことにならない」とある。一方で、もし元の位置から半転がりでも動いてしまったら、プレーヤーが原因で球が動いたこととなり、1罰打で元の位置にリプレースとなる(規則9.4)。例外として、グリーン上で偶然に球を動かした場合は罰はない。
またティーイングエリアの場合は少しルールが異なる。たとえばドライバーを打とうとしてティーアップし、アドレスに入った後、クラブがボールに触れてティーから落ちてしまった。この場合は、罰はなく、ボールを拾い上げて再度ティーアップすることができる。これは、「ストロークを行うまでは球はインプレーとならない」(規則6.2b)から。ワッグルなどの打つ意思がないクラブの動きは“ストローク”ではないため、たとえボールが動いても、まだそのホールのプレーをスタートしていない、とみなされるのだ。
一方で、打つ意思を持ってスウィングしたら空振りしてしまい、その風圧でボールがティーから落ちてしまった場合は、“ストローク”を行ったことになるため、1打としてカウントされる。ただし、落ちたボールがティーイングエリアの中に留まっている場合は、再度ティーアップして2打目を打つことが可能。同じティーイングエリア内ならどこに再ティーアップしてもOKだ。
エリアによって対応が変わるので、しっかりと覚えておきたい。
今回は、上記のルール以外にも、球を動かしてしまった際に押さえておくべき基本的なルールについて、『2021-2022 GOLFDIGEST ゴルフルール早わかり集』から抜粋してご紹介!
Q. 止まっている自分の球を動かしてしまった場合は?
A. 1罰打でリプレースだが、罰がない場合も(規則9.4)
1罰打を加え、その球をリプレースする。ただし、次の4つのケースでは罰なしにその球をリプレース。(1)球を捜索中、偶然に動かした場合。(2)パッティンググリーン上の球を偶然に動かした場合。(3)ルールを適用している間に偶然に球を動かした場合。(4)ルールが球を動かすことを認めている場合(救済処置など)。
Q. 救済を受けようとしていたら球を動かしてしまった。どうすればいい?
A. 罰はない(規則9.4)
救済処置をとるために基点を決めている場合や、ルールに基づいて球を拾い上げようとしている場合、動かせる障害物を取り除く場合など「ルールを適用している間に偶然に球を動かした場合」は罰はない。救済処置で別の場所にドロップやプレースする場合はリプレースする必要はないが、それ以外の場合はリプレースする。
Q. 他のプレーヤーによって自分の球が偶然に動かされたら?
A. 誰にも罰はない(規則9.6)
誰にも罰はなく、その球を元の位置にリプレースしなければならない。
Q. 球をカラスが持ち去ったかもしれない。どうすればいい?
A. 確実にカラスが持っていったなら罰なしにリプレース(規則9.6)
自分の球がカラスによって持ち去られたことが分かっているか、事実上確実だという証拠があれば、罰なしに元の位置に別の球をリプレースすることができる。元の位置が不明な場合は推定してリプレース。事実上確実だという証拠がなく、球を探し始めてから3分以内に自分の球を見つけることができなければ紛失球となる。
Q. 球の真後ろにある枯葉を取り除いて球が動いたら?
A. 1罰打でリプレース(規則15.1)
枯葉などのルースインペディメントは、罰なしに取り除くことができるが、取り除く際に球を動かしてはならない。球が動いた場合は1罰打を受け、球をリプレース。ただし、球がパッティンググリーン上、ティーイングエリア内にある場合は罰はない。
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